記録しておきたい記事があったので、
以前の記事ではありますが、マイナー競技選手の資金調達という観点から、
日刊大衆さんの記事をまとめてみました。
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■ソース(日刊大衆)
スター選手は数億円規模の年収を手にするが、一般の選手は普通のOLと大差ない薄給。
そんな女子スポーツ界の収入の仕組みと格差を人気6種目で調査!
■@仰天給与明細01=ゴルフ(2015年03月09日)
プロゴルファーの主な収入源は試合の賞金。2014年度の女子プロゴルフ、国内で37試合が催され、
賞金総額32億5000万円。賞金獲得1位のアン・ソンジュ(韓国)は約1億5300万円。
有名になると、賞金のほかに、CM契約料やスポンサー料(企業ロゴを明示するなどして得る収入)も入る。
「現在、日本人選手で最も年収が多いのは宮里藍。賞金とCM契約料、スポンサー料などを合わせて約3億円」
(ゴルフ専門誌記者)
次に多いのが横峯さくら2億円、3番目が森田理香子1億8000万円。
女子プロゴルファー約900人の内、レギュラーツアーに出られるのはシード選手と下部ツアー上位者など約100人。
予選落ちしたら賞金ゼロ。交通費、ホテル代、食費、キャディー代は自腹なので、1試合当たり20〜25万円の赤字。
年間30試合で自腹経費600〜700万円。これを賄いつつ人並み生活をするには1000万円は必要だろう。
しかし、14年に1000万円以上の賞金を稼いだ女子プロは、わずか70人。8割以上が獲得賞金ゼロ。
それでものし上がる者はいる。たとえば前田陽子。
06年デビューで、これまでの成績はパッとせず、09年から13年まではレギュラーツアーに一度も出られなかった。
13年の獲得賞金は21万5142円。若いOLの月給程度の年収。
そこで、不足分の生活費とゴルフの費用を稼ぐため、地元・徳島の段ボール工場で9時から4時までアルバイトをし、
夕方からゴルフ練習をする日々を過ごした。時給は750円だったという。
その彼女が14年11月、伊藤園レディスでプレーオフの末に初優勝。
バイト代9年分に相当する賞金1800万円を獲得し、ランクは123位から33位にまで急上昇。
優勝インタビューで「長かったですね」と涙を流した前田は、支えてくれた母に冷蔵庫と洗濯機をプレゼント。
■A仰天給与明細02=フィギュアスケート(2015年03月10日)
フィギュアスケートほど、おカネのかかる競技はない。趣味として滑るなら月数万円程度だが、
競技者としてトップを目指すとなると話は別。少なくとも、家を1軒建てるぐらいの資金はかかるというのだ。
トリノ五輪・金メダリストの荒川静香は以前、
「5歳でスケートを始めてからトリノ金メダルまでの20年の間に、2億円以上は使いました」と話している。
「荒川さんの言うとおり、フィギュアはレベルが上がれば上がるほど、費用も膨らむ競技。
トップスケーターの大まかな年間必要経費は、遠征費500万円、靴代150万円、衣装代120万円、
振付1曲100万円。それらにコーチの契約料を加えると、総額2000万円以上」(スケート関係者)
一方、収入は意外と少ない。
競技会の賞金、アイスショーのギャラ、日本スケート連盟が強化選手に支給する強化費がその主なものだが、
賞金は、グランプリシリーズ優勝200万円、グランプリファイナル優勝300万円。
アイスショーのギャラは、荒川静香のようなスター選手なら100〜200万円、有名でない選手は10〜20万円。
スケート連盟強化費は、国際試合に出場する特別強化選手への支給額が、最高で月20万円ほど。
現在、フィギュア界の稼ぎ頭は浅田真央。非公開だが、その年収は約6億円(13年)と言われている。
だが、その内訳は獲得賞金が約2000万円に対し、CM契約料+スポンサー契約料が約5億8000万円。
9割以上をスポンサー関連の収入。
「こんな具合ですから、多くの選手が、スケートだけでは活動資金が賄えず、スポンサーを探して、
有力企業への挨拶回りなど、しなくてもいい苦労をしているんです」(スポーツジャーナリスト)
■B仰天給与明細03=バレーボール(2015年03月11日)
「バレーボール選手になる人の気持ちがわからない。プロリーグもなく、先がないのに……」
かつて、プロゴルファー上田桃子がテレビで、こう言い放ち、物議を醸したことがあった。
金銭的な面で、バレーボールが魅力の乏しいスポーツであることは事実だ。
「日本のバレーボール界にもプロ化の動きはありました。でも、一部を除き、結局は失敗。
Vリーグと名前だけは新しくなりましたが、実態は実業団時代とほとんど変わっていません」(Vリーグ関係者)
Vリーグ選手の多くは企業に勤める社員選手。一般社員と同じように、定時出社して午前中は仕事、午後から練習。
仕事内容は簡単な事務作業が中心で、重要案件を任されるようなことはまずない。
給与も普通のOLと大差なく、多少の手当がプラスされる程度。主力選手でも月額20〜40万円。
社員選手に次いで多いのは嘱託契約選手。
会社仕事にはノータッチで、給料をもらいながらバレーボールに専念。1年更新で年額200〜700万円。
「嘱託契約選手の身分は、何の保障もないアルバイトと同じ。企業にとっては都合のいい選手です。
故障したり、有望な若手が入ってきて不要になれば、いつでも切り捨てられますから。
最近は嘱託契約を結びたがる企業が増えています」(前同)
これ以外に、プロ契約もいるが、その扱いは嘱託契約とあまり変わらないというケースが多い。
例外なのが日本代表の主将を務める木村沙織。
12年、東レ・アローズからトルコのプロチーム『ワクフバンク・テュルクテレコム』に移籍し、1億円の年俸。
だが、14年6月には、東レに復帰し、2年間プロ契約。
年俸2000〜3000万円と、トルコ時代の3分の1以下となった。
■C仰天給与明細04=サッカー(2015年03月12日)
11年の女子W杯で、『なでしこジャパン』が優勝。その歴史的偉業のニュースに日本中が舞い上がった。
それまで女子サッカーを無視していたメディアは、手のひらを返すように選手や監督を絶賛。
"なでしこ"の愛称は全国津々浦々にまで浸透して一大ブームを巻き起こし、国民栄誉賞も受賞。
「認知度が上がり、スター選手が生まれ、閑古鳥が鳴いていた観客席に大勢の人が集まるようになった。
でも、女子サッカーの基本的な構造となると、あまり変化はしてないかな」(スポーツ紙記者)
日本代表エースだった澤穂希にはスポンサーがつき、テレビやCMへの出演依頼も殺到。
W杯前は350万円ほどだった年収が1億円にまで跳ね上がったと言われている。
内訳は所属チーム・INAC神戸年俸700万円。あとはCM契約料、テレビ出演料、スポンサー契約料。
澤だけではなく、ほかの代表メンバーも活躍の場が広がり、少なからず年収も増えた。
しかし、そうした恩恵は、『なでしこリーグ』の一般選手にまでは及んでいない。
「なでしこリーグでは無報酬でプレーし、生活費をアルバイトで稼いでいて、プロ契約をしていない選手が多数。
全選手の平均年収は約240万円。サッカーもバイトもして月収約20万円、かなり厳しい状況です」(前同)
稼ぐためには「人気があること」「ファンが多いこと」「経済効果が期待できること」の3つの条件が必要。
■D仰天給与明細05=水泳(2015年03月13日)
「水泳選手の定期的収入は、渡部香生子のような学生の場合はほぼゼロ。企業に勤める社会人なら、
一般サラリーマンと同程度の給与。ただ、入江陵介のように有名になれば、他の種目のスター選手と同じように、
CM契約料やスポンサー契約料が入るようになり、かなり収入が増えるはずです」(スポーツジャーナリスト)
「賞金レースも増えて、泳いでおカネを稼ぐことも不可能ではありません。
プロ宣言する選手も出てきたし、世界各地の賞金レースを回る賞金稼ぎスイマーもいます」(水連関係者)
ただし、水泳の賞金はそれほど高くない。
W杯優勝で約18万円、2位約12万円、3位約6万円。日本選手権優勝で10万円。
こうなると、複数の競技で勝つか、世界新記録のボーナスを獲得しないと収入は増えない。
しかし、水泳選手のメインイベントは、やはりオリンピック。
ロンドン五輪での日本人選手の場合、金メダルを獲ればJOCと水連とオフィシャルパートナーから
合わせて3500万円、銀メダルで600万円、銅メダルで250万円が支給される。
ロンドンでは、入江陵介が銀2個、銅1個のメダルを獲り、鈴木聡美は銀1個、銅2個のメダルを獲得。
2人とも、平均的サラリーマンの年収2年分を一大会で稼いだことになる。
とは言っても、大盤振る舞いのオリンピックは、わずか4年に1回の開催。
■E仰天給与明細06=卓球(2015年03月14日)
日本では、企業所属の卓球選手が多い。他社員と同程度の給与と大会賞金とスポンサー契約料が収入。
賞金つきの大会も多く、国際大会で活躍できれば、大金を稼ぐことも決して夢ではない。
日本卓球界の女子2トップは、福原愛と石川佳純。15年1月時点での世界ランキングは福原が11位、石川が4位。
「ランクは石川が上ですが、稼ぎという点では、プロとして活動している福原が上回っています。
福原の推定年収は1億2000万円。石川は、その半分程度かな」(スポーツライター)
彼女たちの収入の内訳は、大会賞金+CM契約料+スポンサー契約料など。
福原の場合、07年から全日空がスポンサーになっており、年収の約1億2000万円の内訳は、
獲得賞金が約4000万円、CM契約料+スポンサー契約料が約8000万円。
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当ブログ読者は、マイナー競技、いや、超マイナー競技選手も多いと思うので、
過酷な状況も書かれているが、それさえも羨ましいと思う選手がいると思う。
(マイナーという言葉を使っているが、五輪での不人気競技もマイナーと呼べるが、
非五輪競技・TV中継&リザルト報道の無い競技、これらを超マイナーと指す)
ゴルフ等を除いて、賞金で喰っていける超マイナー競技はほぼ無い。
協会・連盟からの遠征費や強化費の補助もゼロ。
まして、メディア出演も無く、
(そもそも番組出演費なんて大した額で無く、有名選手でもPRバーターになるケースも多い)
実業団システムも無い競技の選手の資金調達は、一体どうしたらいいの?という事になる。
上記記事のゴルフ選手が、時給750円で段ボール工場でバイトしていたのは美談だが、
850円程度のバイトを7つも掛け持ちしている超マイナー競技選手や、
海外遠征でホテル宿泊費が無く、公園に野宿する日本代表選手や、
そんな話を挙げたらキリが無い。
美談を挙げたいなら、メディアは超マイナー競技選手を報道してあげてほしい。
こんな状況を打破する道・・・
唯一の望みがスポンサーシップだ。
有名選手で無くても、キッズでも戦績下位でも地方選クラスでも獲得が可能である事を、
文科省・JOC・日体協・各NF・クラブ・監督・コーチも教えてくれない。
スポンサーシップが話題になるのは、
いつもメジャー競技や欧米の事例がコンサルタント等から語られる事。
そういった手法は末端のマイナー競技には通用しないので、多くの選手が困惑している。
金の卵が、資金難で毎年消えていく現実を、メディアはあまり報道しない。
99%の選手が、スポンサーシップと言うと、
企業スポンサーのロゴを胸に貼れれば金をもらえるんでしょ、的に考えてしまっているのだが、
そもそもTV中継は無いわ、観客はいないわ、という超マイナー競技選手に、企業が協賛をする訳が無い。
じゃあ、どうすればいいのよ?という回答を、個別コンサルやセミナーで伝えている。
(実績多数なので、関心ある選手は来て欲しい
http://www.athleteyell.jp/seminar.html )
五輪メダリストでも、年500社にアプローチしても企業スポンサーが獲れないという記事が、
以前の五輪前にも報道されていたが、
そんなの手法が間違っているだけで、キチンとやればそんな状況にはならない。
アスリートの資金調達は、社会の課題でもあるはず。
スポーツは感動を与えてくれるもの、、、、等と受け手は賛美するが、
選手当人達は一定の人生を賭けている割に、
人並みの生活もできない現実を社会に知ってほしい(これ、超マイナー競技の話ね)。
なので、上記をピックアップした理由は、
マイナー競技の場合、スポーツ(アスリート)で喰って行けるのはほんの僅かな選手数だけで、
社会からの陽の目が当らず、引退していく選手も多数いる事や、
社会が思うほどに、一般レベルにも達しない過酷な生活環境を強いられている現実も知ってほしいなと。
そういう環境でも、
世界で日の丸を掲げている選手こそ、メディアは注目してほしい。
ラフティングの世界チャンピオンをメディアは知っているかな?
フリーダイビングの世界チャンピオンを知っているかな?
ムエタイの世界チャンピオンを知っているかな?
熱気球の世界チャンピオンを知っているかな?
スタッキングの世界チャンピオンを知っているかな?
水上スキーの世界チャンピオンを知っているかな?
ハンググライダーの世界チャンピオンを知っているかな?
挙げたらキリがないけど、世界レベルの日本人は、まだまだ居る!
上記6競技種は、五輪競技であり、プロがある競技。
(名ばかりのプロ表現をする競技も日本には多いけど)
2020東京五輪が決まって、スポーツは上向きと言われるけど、
そんなの五輪競技の一部だけでしょ(笑)
何も恩恵が無いアスリートの方が多いですよ。
スポーツ庁ができても、超マイナー競技選手の環境は、国に保障されない。
だから、自分で喰っていく道を作るしかない。
鈴木長官、スポーツ全体を見てね。
五輪競技が公務員的と例えれば、
(実際はそんな事無いけどね。五輪競技内の辛さも知っているけど)
超マイナー競技は民間会社に例え、1人1人が社長意識を持つ必要がある。
それこそがプロ意識。
もっと、スポンサーシップ、いや、資金調達を深く考えようよ。