http://sochi.headlines.yahoo.co.jp/sochi/hl?a=20140223-00000027-nksports-ent
■概略
ソチ五輪「敗者の弁」に思う
熱戦が繰り広げられたソチ五輪がいよいよ幕となる。日本人選手のメダル獲得など今回もさまざまなドラマが生まれたが、記者の習性としては、やはり「敗者の弁」に注目してしまう。デリケートな状況で搾り出される言葉にその人らしさが出るし、マイクを向ける側の難しさがあらためて身に染みるのだ。
テレビを見ていてつらかったのは、表彰台を逃したスピードスケート加藤条治(5位)長島圭一郎(6位)両選手の試合後インタビュー。決まりなのでインタビューエリアに来たものの、2人とも悔しさで何も話したくないオーラがいっぱい。ひるんだインタビュアーも質問を見失ったのか、かみ合わないやりとりで後味の悪さが残ってしまった。
「悔しいです」「分かりません」。応援する人も見ている公式インタビューでひと言しか話さないなら、それこそが個性。無難な慣用句よりよほど人間味がにじんでいるのだから、聞き手はそのまま「ありがとうございました」と切り上げれば良かったのにと思う。テレビの習性として尺が必要なのか、オランダ勢の分析とか気持ちのコントロールとか、まとまらない質問が続き、ぶっきらぼうなやりとりだけが垂れ流されてしまった。そのへんを心配したスタジオ解説の堀井学氏が、視聴者に「悔しくて情けない気持ちをくんでやってほしい」と涙目でわびていたのが印象的で、ある意味でこれもソチ名場面になった。
聞き手の力量と本人の人柄がかみ合っていたのは、スキー・ジャンプ女子4位の高梨沙羅選手。インタビュアーは五輪経験豊富なNHK工藤三郎アナウンサーで、選手の気持ちに寄り添いつつ的確な質問がさすがだった。「どうですか、初めてのオリンピックが終わって」。17歳の孫を励ます60歳みたいな優しい声に勇気を得たのか、高梨選手は「皆さんへ感謝の気持ちを伝えるためにここに来たので、いい結果を出せなかったことはすごく残念です」と、立派な第一声を述べた。
世界戦では無敵でありながらの4位。「いつもの大会とオリンピックは違うところはありましたか」(工藤アナ)「やることは一緒と挑んでいたつもりでしたが、やはりどこか違うところがあるなと感じました」(高梨)。4年後がある人への質問とあって、こちらが聞きたいことをちゃんと聞いてくれたし、高梨選手もきちんと答えてくれた。最後に工藤アナが「よく頑張りました」。これには高梨選手も思わず涙ぐんでうなづいていたけれど、泣かないように必死にインタビューを受けていた17歳の責任感がよく分かった。
今大会の「敗者の弁」で個人的に最も感銘を受けたのは、女子モーグルの上村愛子選手。5度目の五輪出場で、7位→6位→5位→4位ときて悲願のメダル獲得に臨んだ大会だった。誰もが「獲らせてあげたい」と見守ったが、結果は4位。腫れ物に触るようなインタビューは選手本人も見る方もつらいと案じていたら、上村選手は自分から「聞きづらいでしょうけど、まっすぐ聞いてください」ととびきりの笑顔を向けた。こんな時でも相手を気遣い、自分から先手を打ってくれる人柄に圧倒された。
インタビューでは「自分らしい滑り」ができたと納得しており「すがしい気持ち」と何度も語った。「失敗なく攻めて滑りたいというのが3本全部かなったので、すがすがしい気持ちになるんだなぁ、って」。最後の五輪とあって、受けた質問には言葉を尽くして明るく語り、カメラには泣きまねポーズをして愛子スマイルを見せてくれた。16年間を総括し「メダルはないんですけどね、頑張ってよかったと思います、はい」。プレーも言葉も振る舞いも、何もかもがかっこよかった。
負けたばかりの選手にあれこれ聞くなという意見もよく耳にするけれど、勝った人の喜びだけ伝えるスポーツ競技って面白いのだろうか。敗者のすごさが伝わって初めて勝者の偉業が輪郭を持つ。血のにじむ努力をしたのに明暗が分かれてしまうところに共感とドラマがあり、ライブで発せられた言葉が、その人と競技の魅力を際立たせるのだ。頑張ったのにスルーされることほど淋しいものはない。コメントを求められるのは「この人について知りたい」と思わせる魅力があるからで、インタビューエリアに呼ばれることは、すごいことなのである。
もちろん、聞く側、メディア側のスキルアップも求められるのは当然のことで、自戒を込めて肝に銘じるばかりである。
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非常に考えさせられる記事である。
五輪独特の記事と言ってもいいのではないだろうか?
そもそも五輪は、既に御国を絡めた御祭り的なポジションになっているので、
アマチュア大会から、いつしかプロに近い形(特に金の面で)に定義が代わり、
視聴者・応援者も、独特の視点で観戦するようになった。
これは完全に、五輪サイドの方向性に、全世界の人々が乗って観ているので、
間違い無く、これこそがモノサシになっている。
しかしながら、
五輪をプロの方角へ導くのであれば、それを世界に報道するメディアも、
五輪をアマではなく、IOC様が定義を変えたように、プロの視点で観る必要があるのでは?
五輪競技でも非五輪競技でも、世界選手権・W杯などで、
1番以外の2番のインタビューが、メディアにガンガン掲載されるだろうか?
(いや、本来して欲しいのに、紙面の都合、放送時間の都合で、出さないですよね?(笑))
アスリート達は、仮にそれがプロなら、
2番に語る必要も無いと認識できているはず。
(いや、できていないなら協会・監督・コーチが指導しなければならない)
そもそも論として、敗者の弁など存在しない。
そんな放送時間・記事スペースがあるなら、
もっと1番を称えよ、というのがメディアのモノサシでしょ?
プロとアマがごっちゃになってるよ。
じゃあ、五輪はどっちなの?と再度、確認したい。
都合のいい時だけプロ仕様で、別の都合ではアマ仕様の対応ではまずいのでは?
無論、五輪で敗者の弁に価値がある、って事をそもそも論として否定はしていないのだが、
キチンと全て共通したモノサシで、スポーツ・アスリートを捉えて報道すべきであり、
五輪が世界選手権・W杯とは違った御祭りスポーツだから・・・・なんて考えなら、
芸能ニュースにとどめるべきで、
yahooのソチ特集で語られるべきではない。
そもそも、スポーツの重鎮達は、どう思っているのでしょうね?
1人1人、直面談で、レコーダー回して聞いてみたい。
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非五輪競技選手からしたら、
1番になれば地上波インタビューが入る事自体が凄い価値、って事になるし、
殆どの競技大会で2番の声などは画面・紙面に出ない。
敗者の弁などで、メディアに名前や声を取り上げてもらえる事自体が有り得ない世界観。
しかしながら、負けたとしても、その選手のファンは確実にいる訳だし、
五輪ともなれば、初めて知った選手でも、同じ日本人として応援したくなる。当然だ。
だからメディアは2番でも3番でもメディアに乗せる。
アスリートは、五輪だけの特典と考えた方がいい。
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そもそも、これらの敗者の弁は、選手視点・メディア視点・ファン視点だけで語られてはいけない。
金を投資している協賛企業の視点を忘れてはならない。
そもそも、金が無けりゃ開催すらできない、という大会も多いからね、五輪に限らず。
仮に、1番選手に投資しているパーソナルスポンサーが居たとします。
2番のインタビュー時間なんていらないでしょ、それなら1番のインタビュー時間を
増やせよ、って思考になる。
2番のパーソナルスポンサー企業は、2番なのにインタビューされちゃって、
うちのロゴがTVに出てラッキー!広告露出効果換算額は○○○万円だな、って事になる。
地上波や新聞上のインタビュー(敗者の弁スペース)は、金額に換算できる。
五輪もそれ(金)を追求している訳だから、
周辺だって当然、特に投資者の企業は、IOC以上に投資効果をシビアに見るだろう。
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自分は、マイナー競技アマ選手に対して、
例えアマ競技でも、パーソナルスポンサーを求めるならプロ意識を持てと伝えている。
2番は要らない、1番しかプロの世界では価値が無い、と伝える。
その理由の1つに、1番は勝者インタビューに出て、スポンサーロゴを露出して、
投資効果を回収して頂ける。
一方、2番はインタビューもされず、スポンサーロゴを露出できず、スポンサーシップの
価値をリターンさせる事が困難・・・・
こんなところにも、1番と2番の差が出るしね、、、、と伝えなければならない。
そこに敗者の弁などは存在しない。
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