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2011年07月30日

アスリート&スポーツのメディアにおけるポジション

■ソース(中央日報2011年07月29日
http://japanese.joins.com/article/314/142314.html
■概略
男女対決の韓国女性ファイター「日本の放送にだまされた」
韓国の女性格闘技(ムエタイ)選手イム・スジョンが、
3日に日本地上波TBSで放送されたスポーツバラエティーショー
「炎の体育会TV2011 シュートボクシング対決2」に出演し、
日本の男性コメディアン3人との激闘試合で
一方的に殴られる場面が見られ、韓国で非難の声が出ている。
韓国の国民日報クッキーニュースによると、
イム・スジョンはTBS側からリアルではなくショーという話を聞いていたという。
また相手である春日俊彰はイム・スジョンが負傷中であるにもかかわらず
本気で無差別攻撃をしたほか、イム・スジョンは事前の話とは違う大きな
グローブを渡され、実力を発揮できなかったと怒りを爆発させた。
韓国メディアとネットユーザーは「衝撃的だ」「非常識だ」「マナーもない」などの
反応を見せており、さらに波紋が広がる可能性もある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日本のアマチュア・アスリートにとって、PRは非常に重要。
メディア掲載・出演を、待っているのではなく、
自ら攻めて(情報発信して)勝ち取る位の気持ちが重要。
だから、マスメディアは、
雲の上の存在ではなく、自分のファンを作る為の身近なツールと認識すべき。
(故に、普段からメディア関係者との友好な関係作りも必要)

(スポンサー獲得面では、マス出演実績が無くても、それなりの手法で
 獲得は可能だから、メディア未実績を悲観する事は無い。
 今後、掲載・出演に自ら努力すればいい。)

という訳で、やはり視聴率1%で100万人弱(超大雑把な換算)とも言われる
テレビは、リーチという面で非常に強いですよね。
競技雑誌10〜50万部発行に1ページ掲載されるよりも、
新規ファン開発と言う面では、テレビが圧倒的に数値上は強い。
(テレビに出ないアマ選手は、ネット等を利用すればいいのですが)
チャンスがあれば、
基本的には「出演させて頂く」というスタンスで臨まなければならないです。

その中身として、PR・自己ブランディングというモノサシから、
報道系ではなく、バラエティ系も、基本的には「有り」と言える。
リーチが見込めるなら、頭を下げてでも、出演させて頂く形を取った方がいい。
ただ、それは日本のスポーツ文化上の判断とも言えます。
別に海外生活が長い訳ではないので、
異国のスポーツ文化をそんなに深くは知らない立場ではありますが、
ドメスティックなモノサシにせよ、
この日本でのスポーツのポジショニングを考えると、
まだまだ、アスリートと(芸能)タレントの差が曖昧=有名人の定義が「?」の為、
そこでどうブランディングされるか、どう新規ファン開発できるか、
これを見極める所に時間をかけるべきで、
理想としては、報道系が主体。
しかし、現実的には、リーチをかけるという観点から、バラエティでも出演チャンスは
活かさなくてはならない、という所に結果的に着地する・・・
(但し、リーチの大きいテレビだからこそ、アスリート自身が明確なブランディング
 意識を持っていないと、全く別の自分が社会から作られてしまうので注意。
 しゃべらない方が良かったという選手も多い(笑)
 世間一般からは面白おかしくいじられる存在を築いても、
 アスリート本来の競技ファンになってもらえないようでは、本末転倒だし。)

・・・・・・・・
前段が長くなりましたが、
上記・記事の話を始めますと・・・・

完全にコミュニケーション不足の話だと思います。
イム・スジョン選手は代理人を通じて、ショーと聞いていたものと予測しますが、
キチンと日本におけるスポーツのポジションを先方に伝えていたのか、心配。
過去番組事例を見せていたのか、
バラエティだからこそ相手は本気で来る=怪我配慮などしない可能性大がある、
という事を伝えていたのか?

日本選手なら、その辺りの細かいニュアンスまで伝わると思いますが、
異国選手の場合、伝え方も非常にシビアな話になるはずで、
どんなに細かい事情が裏側にあったとしても、
オファーサイドに原因があると言われても仕方ないのではないでしょうか。
(韓国・国民感情が吹き上がるのは当然の事で、これが逆の立場だったら、
 日本ファンも相手国メディアや相手芸人に対して、きっと怒るはず・・・)
「バラエティだから」という一括りの話では治められない事になってしまう・・・

イム・スジョン選手は韓国でバラエティ番組にも出演されているそうですから、
日本メディアサイドは、オファー時にそれを考慮したのかもしれない。
色々なコネクションもある事でしょう。
そして、視聴率を考えれば、
芸人が本気になる程、プロに通用するのか?という視聴者感覚をあおる形となり、
番組の目的に限りなく近づいていく。

現在の日本のスポーツ観を考えると、
バラエティにスポーツを融合させる事で、結果的にスポーツ普及に寄与する
このような番組を制作して頂けるTBSさんに対して、スポーツ界は感謝すべき。
スポーツ*バラエティという切り口から、
新たなファン開発、スポーツ普及に繋がる道が広がるのは事実であるから。
但し、
スポーツに強いTBSさんだからこそ、
当記事に関係なく、スポーツと(芸能)タレントとの差を配慮して頂き、
その上で、報道系とバラエティ系を発信して頂ければと思います。
当記事に関しては、細かいニュアンス、
又、日本独特のスポーツ事情(アスリートとタレントのポジショニング)を考慮し、
海外選手ではなく、日本選手に限定した方が良いのではないかと思います。
(日本メディアが日本選手をメディア支援する、という側面も出ますし、
 マイナー競技を取り上げる程に、TBSさんのCSRポイントにもなりますから
 経営モノサシ上も、その方がいいのではないでしょうか。)


「スポーツ*バラエティ」は、スポーツのポジショニングを上げる為に、
日本では確かに必要と考えます。
ただ、それは、日本での話であり、
海外でのスポーツの位置付け(特に欧州・USA)を含めた、
グローバル基準で言えば、その必要度は少し変わってくるはず、
という事を踏まえた上での熟考が前提になると考えます。


イム・スジョン選手、韓国民に対して、何かしらの明確な対応した方がいいのでは。
小さな話かもしれませんが、
スポーツ界にとっては大きな話です。
日本のスポーツの扱い・スポーツのポジションに大きく関与する事なので。
posted by sports777 at 15:19| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツNEWS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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