http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/column/katayama/CK2011072802000104.html
■概略
【コラム 片山右京・チャレンジライフ】
なでしこに感動の涙!夢を持つ若者を日本企業はもっと応援して
「なでしこジャパン」の大活躍、ワールドカップ優勝に、思わず涙が出た。
勝った瞬間も泣けたが、出張先サウナの中でニュース映像を見て2度泣けた。
優勝という大きな成果もさることながら、決して恵まれた環境の中で練習を
しているとはいえない彼女たちが、苦難を乗り越えて栄冠を勝ち取ったことを
思うと自然に涙が出てきたのだ。
厳しいトレーニングをしながら、活動資金を得るためにアルバイトをする日々。
当然、練習時間も限られ、節約のために日々の栄養管理もお金との相談。
それでも、国を挙げてバックアップを受けるアメリカやドイツを破り、世界の頂点に。
逆境の中に強さが生まれるのかも。そして、夢があったから頑張れたと思う。
僕自身も若いころは食うや食わずで、FJ(フォーミュラ・ジュニア)1600時代は
ガレージに住み込んでマシンメンテナンスも自分でこつこつやって走った。
インスタントラーメンの麺とスープを別々にして2食に分けて食べたり、
クラッシュで大ケガした時も治療費が払えないから病院を抜け出したこともあった。
それでも夢があったから、悲壮感はなかった。全てを夢にささげることができた。
「なでしこジャパン」の活躍がそんな自分の体験とオーバーラップした。
最近、文化・スポーツ振興に費用を投じる企業が少なくなった。
企業が合理的経営を目指すと、利益を生まないものに資本投下をしないのは当たり前。
そして、昨今の日本経済を考えると、無駄な投資は削減される一方なのは理解できる。
とくに協賛スポンサーともなると金額も大きいから、企業はちゅうちょするのだろう。
しかし、日本の選手には世界に通用する逸材があちこちにいる。
F1では小林可夢偉が頑張り、自転車では別府史之や新城幸也が活躍している。
2輪ロードレースでも日本人ライダーが頑張っている。もちろん女子サッカーも。
そういった若者たちから僕らは元気や勇気をもらっている。
事実、今回の「なでしこジャパン」の活躍から、僕らは勇気をもらった。
こうした選手たちを取り巻く環境はとても厳しい。しかし、夢がある限り諦めてはいけない。
努力した分だけの栄冠は必ずやってくる。
そして、僕らはその栄冠に酔いしれて明日の勇気をもらう。
そんな若者たちに「ありがとう!」と素直に言いたい。
だから、そんな若者たちをもっと応援してあげたいと思う。
日本企業もぜひ彼らを応援してもらいたい。
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なでしこW杯制覇を機会に、五輪前と同様に、
アスリートの苦しい競技環境を伝える報道がまた一段と多くなっている。
報道との機会利益率を考えれば、記事接触率を上げる為にも、
メディアには、どんどん、それらの情報を発信してほしい。
選手も協会・連盟も、訴え続けなくてはならない。
これが他話題で冷めてくると、こういった報道もまた減ってしまうから、
言い続けなくてはならない。
(言うだけでは変わらないので、現実的な施策を実行する事が必要だが)
基本的に、片山右京氏と同意見。
呼び掛けられる人材が呼び掛けるしかない。
そして、
呼び掛けに反応してくれる企業は、称えられなくてはならない。
先日もブログ記載したが、JOC・文科省の表彰制度だけでは役不足。
具体的な税制優遇や、五輪競技以外の競技も含めた施策でなければ、
スポーツ基本法を成立させた意味がない。
(五輪非競技選手の方が、比較論で言えば、過酷度が高いですし)
スポーツ立国戦略の5大施策も練り直しをしてほしい。
なでしこをW杯以前から支援していた企業、
五輪非競技でも、地道に支援する企業、
苦しい選手程に支援しようとする企業、
どこも協賛しないマイナー競技支援に手を上げる企業、
このような企業が称えられなくてはならない。
国が称えなくても、社会(国民)が称える仕組みを作らなくてはならない。
(しかし、それでは、国も立場が無いでしょう、基本法の意義が判らなくなる。
立国戦略の予算をそこに投入すべきだ。
既に、国民の皆さん、スポーツしましょ予算は掘り下げられているはずだが、
地域社会・国家レベルでスポーツ推進は、医療費削減などにも通じてくるので
決して否定しないが、過去何十年も課題解決されないアスリート資金難に関して、
企業協賛の促進を訴求する施策は殆ど実行されていない。
アスナビも始まっているが、雇用と協賛普及はちょっと意味が違うし、
システマチックな構造改革には時間が掛かる)
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で、更に突っ込むと、
スポーツに予算投入する企業が減ったのは、企業サイドの変化だけではない!
受け手となるスポーツ界の問題も非常に大きい。
ここを無視して、事は改善されない。
努力・根性・熱意だけで企業がOKしてくれないのは、今に始まった事ではなく、
企業の根本(存在意義まで含む)を考えれば、
昔も今も変わらない事。
古き良き時代は、余剰金をもらえたなあ、なんて呑気な事を言っているようでは、
スポーツ資金調達は全く改善されない。
勿論、不況という大きな壁は事由の1つになるし、
東日本大震災も新たな壁になってきているのも事実。
時代や事象が、スポーツ界への投資を妨げがちにしているとも言えるのだが、
根本の問題はそこじゃない。
依頼者(アスリート・協会・連盟・各種団体)サイドの依頼の仕方が、
問題のベースとなっている事は、スポーツ関係者は誰も言わないですよね。
私は、シガラミが無く、直球人間なので、周辺を気にせずに書きますが、
お金をもらいたい側と、お金を出す側の関係が、余りにも曖昧。
これは、もらいたい側の責任の方が、よっぽど高いと言えるのではないだろうか。
と、書きましたが、別にアスリートや協会・連盟を責めているのではなく、
スポーツ界の構造的欠陥だと考えています。
それを教える仕組みが殆ど無い、というのが大問題。
当ブログでも何度も記載しているが、
スポーツ界が協賛金や寄付金を得るにはどうしたらいいのか?
という所を教える場を作らなくては、この先ずっと、スポーツ資金難は解決されない。
運に任せたスポンサー営業は通用しない時代だし、
努力と根性でスポンサー獲得を狙う事も通用しないし、
余剰金をコネだけで成約させるケースは長続きしないし、
スポーツは特殊なんだ、という言い訳は、社会・時代というモノサシから通用しない。
そこには聖域を存在させられない。
金の掛かるモータースポーツが言い事例だが、
千万単位、億単位の企画書を良くみるが、広告効果がその額に達していないでしょ、
というケースが殆どだし、
年間競技資金が500万かかるから500万くれとか、
自分の家賃を競技経費の中に入れた企画書を作る選手もいる。
一方で、テニスコーチや監督は、スポンサーを得るなんて10年早い、
世界100位にならないと協賛なんて無理、
といったスポンサーシップの本質をお分かりか?と質問したくなるケースもある。
企業は何故投資するのか?を判らない選手やコーチでは、
どんなに交渉をうまくやっても低確率。
(「協賛」って、投資の1つに過ぎないから、投資をモノサシにしないとね)
だから、文句タレこんだり、評論してても前に進まないから、
民間でできるアクションとして、教える場を作っているのだが、
ぶっちゃけ、民間じゃ限界もある。
よって、スポーツ基本法が成立した事に、少しは期待をしているのだが、
教える場作りに、国は参加してほしい。
いや、先導してほしい。
いや、先導するのが当然。(基本法を通したのだから)
確かに、クローズドで、教えている場もある。
近日も、どこかでセミナーが始まる事を承知していますが、
10万スポンサー獲得も1億スポンサー獲得も基本は同じであるが、
どこかの成功事例だけ数回程度を教えても、スポンサー獲得率は向上しないと思う。
その時の企画書は?その時のプレゼン法は?その時のコネクションは?
数時間のお話だけで、スポンサーが獲れるようになったら、
そんな簡単な事はない。
(その対策として、私の場合は、セミナー後のフォローの方を重視している。
7時間のセミナーだけでも不足で、しかも個別フォローアドバイスで、
周辺から、あなたじゃ無理と言われている戦績の選手にも、
キッズにもスポンサー獲得を実現してもらう、、、、
そりゃあ、大変な労力ですよ。
それを、対象者が東大卒の者でも、数時間の勉強で、
ドラスティックに改造させるのは、絶対に無理と言い切れる。
だから、スクール式や、事後フォローが重要だという事。
国は、これに予算を計上してほしいですね。
無論、ここで書くだけでなく、また、直接交渉に行きますが。)
故に結論として、
なでしこにスポットが当たっている間に、全競技関係者は、
自分達の競技環境の苦労をどんどん言えばいい。
メディアは報道使命として、問題解決に繋げる為の情報発信をすべき。
そして、選手や関係者は、どんどん企業にアプローチすべきだが、
その際、単なる陳情(寄付金狙い?)や根性・努力・熱意だけの交渉ではなく、
自分の価値(広告効果等)を明確にして、
キチンと企業に寄与できる分だけの、価格相応な交渉をするべき。
(それを教える場に、国も本気を出すべき。民間に協力してほしい。)
そして、そして、
マイナー競技や、真に困っているアスリートに支援の手を伸ばす企業を、
どんどん社会が称えなくてはならない。
こういったベースが整えられて初めて、
企業がアスリートを支援(協賛)する土壌が拡大するものと明言できます。
企業に「おねだり」する感覚(陳情・価格不相応・熱意根性only)はダメ。
それを許してしまうと、スポーツ振興に逆行してしまう。
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