http://allatanys.jp/B001/UGC020005920110406COK00793.html
■概略
復興にスポーツの力を信じる(スポーツジャーナリスト吉井妙子)
・・・・・それでも被災地で懸命に命をつなげている人や、覚悟を決め必死に放射性物質
の拡散防止に心血を注いでいる作業員を思うと、言葉の無力さを感じてしまうのだ。
自分の力のなさにへこみ、何をやったらいいか分からない自分に苛立ちを見せたのは、
私ばかりではない。トップアスリート達も同じだった。
彼らは勝敗にこだわり、成績を上げることがファンや支援者への恩返しと信じてきた。
つまり興味の矛先は自分自身。
だが、東日本大震災を契機にして、他者の為に尽くす事の重要性に気がついた。
意識の視線が内側から外に向けられたといってもいい。
「自分に何が出来るか」と悶々としていた彼らは、1週間もすると行動に出た。
多くは救援募金という寄付行為。多額の救援募金を出した選手や、注目されることなく
募金箱を首からぶら下げ、必死に声をからした選手も大勢いた。
あるいは、救援募金受付の窓口を独自で立ち上げた選手もいる。
彼らは協会や所属団体の指示で動いたのではなく、個人の考えで行動に移している。
「社会との繋がり」を模索していた彼らが、一つの答えを出した事に人としての進歩を見た。
だが、被災地の本当に戦いはこれから。持久力が求められる長い戦いが待っている。
避難所や仮設住宅では、被災者が身体を動かすことで救われることもあると思う。
こういうときこそが、アスリート達の本当の出番。子ども達が憧れの選手とプレイを
楽しむことが出来れば、子ども達の一生の財産にもなりうる。
一過性の救援募金ではなく、長く続けていくためのプランも次々に打ち出されている。
イチローや松井秀喜、松坂大輔選手らメジャー選手は一時金のほか、ヒットを打ち、
三振を奪う度に金額を増やしていく。ゴルフ石川遼選手は、今季の賞金全額を寄付。
海外で活躍する選手は、機会がある度にその国に感謝の気持ちを述べて欲しい。
来年はロンドン五輪。アスリートたちは活躍することで発言のチャンスを掴み、
是非、日本人を代表して世界に向け感謝の念を口にして欲しい。
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確かに。
有名アスリートでなくとも、多くのアスリートの行動を見た。
企業のCSR(企業の社会的責任)に対して、
アスリートのASR(Athlete Social Responsibility)という言葉を造語してきたが、
まさに、社会との関係を深める、考える機会になった。
上記の、外側への意識という所が大きくなる事で、
アスリートの資質や価値が上がり、スポーツ全体の価値向上にも繋がるし、
企業や一般からの社会的評価や関心が高まるはず。
吉井さんも指摘しているが、今後の課題は持久戦。
社会活動への支援は、短距離走ではなくマラソン型なので、
短期型の緊急援助から、中長期の開発援助にうまくシフトしなければならない。
メジャー選手も石川遼も最低5年は続けてもらって、
我々スポーツビジネス界も、そういうプログラムを生まなくてはならない。
アスリートもそれに乗ってほしい。
まだまだ行方不明者がいる限り、災害の入口にいる為に、
さあ復興だ、開発援助だとは言いにくい。
ただ、持続型の仕組みは早めに作る必要がある。
まだ言える立場に無いが、既にそういったプログラム準備を進めている方からの
相談も受け初めており、他者の方法に乗るだけではなく、
独自プログラムも進め始めたので、早めにアクション工程に入れるように努力したい。
ラベル:Corporate Social Responsibility スポーツ アスリート CSR Athlete Social Responsibility ASR スポーツビジネス パーソナルブランド 競技 日本代表 優勝 世界選手権 東日本大震災 スポーツジャーナリスト トップアスリート ロンドン五輪
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