http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY201008290290.html
http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010083001000374.html
■概略
パラリンピック募金活動をめぐり、厚労省が、日本パラリンピック委員会(JPC)側に対し、
募金活動NPOとの契約解除などを29日までに行政指導していたことが分かった。
不透明な募金活動の実態を問題視し、パラリンピックの信用や名誉を損なったと判断。
JPC側はこの指導を受け、契約解除の方向でNPOに対するパラリンピックの名称使用
の承認を取り消すよう国際パラリンピック委員会(IPC)に提案し、協議中。
また、JPC側は自ら募金活動をする方針だという。
このNPO法人は「日本パラリンピック支援機構」(東京都新宿区)。
JPC内部に置く財団法人「日本障害者スポーツ協会」(中央区)からパラリンピックの
名称使用許可を2004年に得て、選手強化費の一部に使われる募金活動をしていた。
機構が、募金協力した企業の了解を得ることなく、04〜08年度の募金収入計約6080万円
のうち約6割(各年度では5〜8割)を募金の経費やチャリティー事業の経費に充てていた
ことが、今年4月に発覚。同省が経緯を調査していた。
機構が、募金経費だけでも一律3割を取っていたことや、使途を明らかにしていなかったこと
を問題視。決算報告・公表を行わなかった点などを、JPC側との契約違反だとした。
更に、機構がパラリンピック名称を使って事業をする際、IPCが課していた「寄付者名を
明記した財務資料をウェブサイトを含む手段で常に公表すること」とする条件を履行して
いなかったことも指摘。
これに対し、機構は「募金からの経費率30%は日本障害者スポーツ協会側との再三の
協議で決めた」などと主張。活動を一時的に停止する一方で、契約継続を求めている。
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30日の朝日朝刊の社会面にデカデカと出ていました。
この件、以前にも問題に挙げられていましたが、またここに来て???
募金=寄付金の扱いは難しい。
協賛金と違って、ビジネスではないから、例え¥1円でも「善意=気持ち(心)の金」。
リターンを明確にビジネス的に戻す協賛金に対して、
寄付金の受け手は、心からの感謝をすれば済まされる。
(だから、そこに甘えが乗じる場合も多い)
ただ、そこには「心」が根深く入っているから、その感謝度が問われる。
そこに、ゆるさがあれば、二度と寄付してもらえない。
寄付者は、心の金として、それが現場で生きる金と信じている。
¥100寄付すれば、現場で動く人件費はボランティアでゼロであろう、
そして、100%活動に使われるのであろう・・・・と。
だから、記事のように、何で30%も経費を取るのだと・・・。
寄付者の気持ちもわかる。
しかし現実は、現場でどうしても経費がかかる場合もある。
真夏の炎天下に募金活動をして、ジュース1本も支給できない事にも例えられる。
(別に上記NPOを擁護している訳ではない、NPO・NGOの寄付金収集の一般論だ)
自分もNPO絡み、CSR絡みで、昔は寄付金の近くにいた。
大手NGOや零細NPOの資金繰りや、寄付の流れも、嫌が上にも見てきた。
世間が想像するのとは逆行する事が多いのも事実である。
(だから自分はある時期から、寄付をする際は、キチンとリサーチできた
対象機関でないと金は出さない主義になった)
¥100寄付して、現場に¥100使われる事は稀である・・・とも言える。
(無論、ケースバイケースだが)
国内の多くのNPOだって大変です。
NPO=ボランティアではない・・・これがわからない方もまた非常に多い。
誤解して頂きたくないのは、
上記NPOを擁護したくて、このような話をしているのではないです。
NPO全般の実情や、募金=寄付金の扱い方について、まず論じているのみ。
http://www.jp-sc.jp/report/index.html
こういう形で会計報告するのは珍しいです。
通常は、事業報告書、会計報告書が添えられる形なので。
・・・・・・・・・・・・
と、ここで少し話を切り替えると・・・
これが寄付金ではなく、協賛金であったら、
つまり、募金した側に何かしらの特典=リターンがあれば、話は大きく違ってきた。
(無論、パラリンピックをテーマにする事自体、それが難しいのはよくわかっているが)
100%とは言えないけど、99%の場面で、
スポーツは協賛金で生きていくべきと、当ブログでは何度も述べてきた。
マクロに社会を見れば、心の金が使われるべき、優先されるべきテーマがたくさんある。
介護・人権・ワールドピース・飢餓・環境・・・
もちろん、寄付金は出す側の自由。スポーツに出したい人は出すべき。
ただ、スポーツで資金を求める側は、
そういった他のテーマに配慮しつつ、
持続可能なビジネスチックな手法をベース化すべき。
アスリートエールはそれを検証する場とも言える。
そして、上記のような誤解を1mmも受けたくなくない意味でも、
寄付金でなく、協賛金を扱うビジネスとしている。
協賛金には、広告代理店・マネジメント会社・エージェント等が関わり、
堂々と経費として%が取られる。
当たり前である。その金を動かすのに、どれだけの人件費と経費をかけているか・・・
そこで無謀なビジネスをしている人もいるが、
キチンと関係者全体のバランスを見て、金の配分が決められていく事が求められる。
投資者も仲介者も受け手も満足する事を目指すビジネス=協賛金と、
投資者と受け手の満足で、仲介者は介在しないように思われる心の金=寄付金では
大きな違いがある。
そもそも、寄付金よりも協賛金の方が獲得が難しい。
だから、結果的に、
それを求める事で、アスリート自身が育つ。資金感覚を掴める。
スポンサーシップというビジネスを学ぶ。
その為の経緯として、ファン・コミュニケーションを実行する・・・
これらが、スポーツの価値、
いや、アスリートの価値を上げるベースになるものと考えています。
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