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■ソース(日本海新聞2010年7月26日)
http://www.nnn.co.jp/news/100727/20100727039.html
■概略
米子に「YAJINスタジアム」 ガイナーレ協賛金募る
J2参入を目指すJFLガイナーレ鳥取運営のSC鳥取・社長は、同市安倍のゴルフ場跡地に
観客約6千人収容のサッカースタジアム建設を発表。
「YAJINスタジアム」の名称で建設費3億円の協賛金を市民に募る。
構想では協賛金を1口1万円、3万円、10万円の3パターンで募り、
金額に応じてスタジアムの「YAJINロード」に敷設するレンガや設置するクリスタルオブジェの
台座に協賛者の名前を刻印。
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■ソース(2010年7月27日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/sports/soccer/other-soc/20100727-OYO8T00258.htm
■概略
ガイナーレ鳥取、寄付募る…砂地で格安 スタジアム計画
来季Jリーグ入りを目指すJFLガイナーレ鳥取は、全国から3億円の寄付を募り、
6000席規模の専用競技場を中心とするスポーツパークを米子市内に建設すると発表。
財源は1口1万〜10万円からなるファンからの寄付。
計画名はチームの顔である元日本代表FW岡野雅行の愛称から「野人続々!プロジェクト」。
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これは寄付なのか?協賛なのか?
本サイトでは「個人協賛」と記載されています。
http://www.gainare.co.jp/yajin/private_sponsor/
名前が刻印される、しかも、金額に応じて名前の大きさが異なるという
出資者の「メリット」が有ると言う事で、『協賛』となる。
他のメディア報道もチェックしてみた所、
今のところ、寄付と表現されているのは読売さんのみ。
報道の仕方は置いておいて、中身の話をすると・・・
寄付と協賛は、似て非なる資金調達。
ここが曖昧なアスリートも多いのは事実。
スポーツ関係者も、資金が入ればどっちでもいいじゃないか・・・という方は多い。
(しかし、それは表面的過ぎる。スポーツ界のポジショニングを考えながら、
踏み込んだ議論が必要。)
この2つは全く別物。
わかりやすい言葉で言えば、
※寄付=善意=もらいっ放しでも良い=感謝という「心」で返す
※協賛=ビジネス=もらいっ放しではダメ=「スポンサーメリット」を返す
つまり、当然のことながら、
寄付を受けたアスリートと、協賛を受けたアスリートは、
事後対応に大きな差が出る。
ぶっちゃけ、アスリートは、もらいっ放しでも許される寄付の方が簡単である。
気持ちで感謝するだけでも許される世界だから。
私も企業CSRやNPOの現場で、相当、寄付の世界に関わってきたつもり。
人様から、気持ちの入った1円を受けるのは大変な事である。
寄付とは、もらいっ放しでもいい半面、非常に次元の高い、取り扱いの難しい金である。
善意という心が入っているので、気持ち的には、プレッシャーの掛かる金。
一方、協賛金も、当然プレッシャーの掛かる金だが、
そのプレッシャーの色気が全く異なります。
協賛=スポンサーシップはビジネスなので、
¥100万受けたら、¥100万に相応するメリットを返さなければならない。
アスリートにとっては、面倒な金という側面も無くは無い。
ただ、アマチュア世界には、是非、協賛=スポンサーシップを
もっともっと学んでほしいです。
人様から協賛を受けると言う事はどういうことなのか?
TOP選手になる以前に、これを学ばないと、金の有り難さもわからないし、
スポンサー企業への対応もできない。
細かい話を入れれば、税制優遇などの話も絡んでくるが、
一般論として、
寄付は短期的な傾向があり、金額が小さく、受け手を育てない。
(スポーツでは、もらいっ放しで、金の有り難さがわからずに進む事もある)
協賛は、リターンの度合いに関わってきて、
キチンとメリットを返し続ければ、中長期的な期待が持てて、金額が大きい。
(持続させるにはどうしたら良いかを考えなくてはならない為、アスリートの思考・行動を育てる)
無論、この経済不況下、協賛を獲るのは難しい。
だが、このスポーツ界、
難しい時代にこそ、難しい課題に挑戦するべきと思うし、
そもそも、協賛の獲り方を習得する岐路にきていると考えられる。
プロでは無く、アマチュアの話を主体にするが
(プロは広告代理店やマネジメント会社が付いているので)、
普段から、
99%のアマ選手はPush型で協賛金を得ようとする企画書で失敗する傾向・・・
と繰り返し述べているが、
協賛金を要請しているのに、中身は寄付を求めているという事例が多過ぎる。
競技ウェアに企業ロゴを貼るから¥100万ほしいと。
だか、シビアに企業ロゴの広告露出効果を計算すると¥10万前後の価値。
¥10万は協賛金、¥90万は寄付金をくれと言っているようなものである。
企業がアマチュア選手を門前払いするのは、
協賛価値¥10万で、残り¥90万は寄付をくれと言うのでしょと、
有る程度、予測を付けて門前払いしているケースも多い。
(もちろん、それが全てではないです。但し、現場の様子を見ていると、その傾向が非常に強い)
つまり、要請額と価値額(リターン額)に大きな差があるということ。
¥100万出しても、¥10万分しか返ってこない・・・というプログラムをPush型で持ってくるのが
アマチュア選手の常だから、ちょっとそういうのは面倒・・・という中小社長も多い。
(アマ選手は、そういうブランドを自ら作り上げてしまっている。この全体ブランドを修正するには、
キチンとしたスポンサーシップの要請の仕方を、スポーツ界全体で指導しなくてはならないはず。
これが無いから、いつまで経っても、資金難でスポンサーを取れない選手が毎年発生し、
金の卵が競技を去って行く。この流れを断ち切る必要がある。)
企業は投資価値を回収するのが基本なので
(もちろん社会貢献的に寄付を考えるケースもあるが)、
¥100万出すなら¥100万分のメリットを要するという、協賛=スポンサーシップを望むのが普通。
元を考えれば、
そもそも、寄付を依頼する企業部署と、協賛を依頼する企業部署は異なります。
企業の財布は、最後は1個でも、金の性格を考慮すれば、予算は分かれています。
寄付を望むなら、寄付金を扱う部門へ、
協賛を望むなら、協賛金を決裁できる部門へアプローチするのが鉄則。
協賛金を扱う部署(広告宣伝部等)に、寄付を依頼しても無駄。
(寄付を依頼するのではなく、前述のような、名ばかりの協賛金依頼で、実は寄付を依頼しているようなもの
というケースも同様。)
是非、この不況下を生き残ろうとするアマチュア・アスリートは、
あえて厳しい協賛金獲得に挑戦してほしい。
スポーツ界は、TOPスポーツなら協賛は当たり前。
そこには、広告代理店やメディアやマネジメント会社等の、協賛=ビジネスのプロがいるから。
ただ、アスリート誰もが、徐々に戦績を上げてプロになるもの。
プロ以前は皆アマチュア。
このアマチュア時代から、寄付と協賛の違いを明確に知り、
将来、プロになる事に備えて、アマ時代から協賛というビジネスを知ってほしい。
(プロ、アマの違いの定義は曖昧だが)
キッズでもジュニアでも、将来プロになりたいなら、
小さい内からプロ意識を持って、協賛=ビジネスと接触してほしいです。
(というか、世界レベルで活躍するキッズ・ジュニアは既にそれを自然と学んでいる場合が多い)
寄付と協賛、全く別物です。
アスリートにとっては、どっちでももらえればいいやと思う選手もいる事でしょう。
ファンも、この選手が好きだからと、リターンの無い寄付でもいいやと言う方もいる事でしょう。
しかし、スポーツの価値や、スポーツのポジショニング、
又、アスリートの資金調達をマクロに考えた場合、
どちらがスポーツとアスリートを育てる為に適しているか?
皆さんに答えを出してほしいですね。
ちなみにアスリートエールは、「協賛」に拘っています。
その理由は、スポーツ界とアスリートを発展させたいから。
その訳は、上記に示した通りで、
そうであると信じています。
エージェントとして、大口・企業・協賛マッチングを、
プランナーとして、小口・個人・協賛誘引を、
スポーツ界に必要と判断して進めています。
その土台に、ファン・コミュニケーションがあります。
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