http://www.asahi.com/sports/column/TKY201003060173.html
■概略
昨年のパラリンピック・プレ大会。高速系種目の滑降で銅メダル。
岩手大在学中の2006年トリノ大会に出場したが大回転は途中棄権、回転は27位。
「努力していないのに、案外いいところまでいけると思っていた自分が恥ずかしかった」
競技に打ち込むため、大学卒業時にスポンサーを探し回った。
「海外はプロばかり。世界的に見て社会人の立場では戦えない」。
自分の成績や競技への思いなどを独自の「履歴書」にしたため、約140社に送った。
08年、パチンコ店経営大手のマルハンに入社。
シーズン中は競技に専念できるようになった。
北海道出身。小学3年生の時、車にはねられ、両足が動かなくなった。車いす生活では
味わえなかった疾走感が気持ちよくて、チェアスキーにのめりこんだ。
「滑降は時速120キロは出る。障害者スポーツで一番激しく、最も健常者に近い種目」。
日本屈指のスピードキングが、バンクーバーでも躍動する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
海外はプロばかり・・・日本のアマチュア選手が競技環境を再考する良い材料になります。
全てプロが良いというのではなく、
自分の創り方というか、周りの巻き込み方というか、
日本の環境ではどうしたら良いのかを考える事は、
競技環境の改善に大きく影響するはずです。
マルハンさんは、社員扱いで、フル競技環境を許したのでしょうか、いいですね。
CSRの一環とも見れます。
CSR(実際はSRI=社会的責任投資)格付け機関は、結果だけ読みがちですが、
経緯も見てほしい。
DJSI(ダウ・ジョーンズ・サステイナビリティ・インデックス/米)の格付けはSAM、
FTSE4good(英)の格付けはEIRIS、
MorningStar(日)の格付けはPublic Resouce Centerだったかな。
各機関は、評価の際、詳細の経緯まで見てほしい。
各機関で、評価要素の%は違いますが、
社会コミュニケーション系の一環としても、上記記事のような、背景・意義を含めた
経緯をマクロに見てほしい。
リサーチをキチンとしているので、評価度は高いですが、
社会貢献や環境貢献はプロの目で読むでしょうが、
スポーツの目で見た時には、また違った側面が出てきます。
マルハンさんは非上場で、SRIとは関係ないかもしれませんが、
パラリンピック選手の雇用の「経緯」で、社会評価を得ていいはず。
そういう意味もあって、狩野選手には、頑張ってほしいですね。
世間では、
スポーツ協賛が獲得しにくい状況が続いています。
各チーム・選手は、不況が主因と言います。
そこから、企業スポーツ=実業団から、クラブ化なる傾向も生まれました。
トップスポーツ程に、協賛=広告(メディア)露出効果が問われます。
しかし、そのモノサシ自体に疑問符が生まれており、
(視聴率・発行部数等の企業利益への直結性)
テレビ・新聞広告が下降し、コンバージョンが明確なネット広告が上昇中。
こういう流れの中で、企業の別の財布=CSRがスポーツ界でも着目されている。
(宣伝広告費に比べたら、どこもCSR関連予算は相当低いけど(笑))
だから、選手が小学校で競技指導をしました、
地域民と一緒に清掃活動をしました・・・という記事を目にする事が多くなった。
しかし、その先が大事。
前述を見て頂ければ、何が大事か見えてきますよね。
社会貢献というワードに限って考えれば、
明確なのは、特に日本では、寄付を例にした場合、
それは善意であり、善意は自己主張するものではなく、
気付かれて初めて明かされるもの・・・との認識を持つ経営者が過去多かった。
(もちろん、それ自体を否定しているのではありません)
しかし、最近は、どこの企業もCSR報告書や社会環境報告書に、
どこどこに寄付しました・・・と明記するのが常識化しています。
これは、どういう事か?
そこに、スポーツが、どのようにCSRを巻き込むかを示す、
明確なヒントが隠されています。
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