http://mainichi.jp/select/opinion/kakeru/news/20100113ddm004070156000c.html
■概略
時代を駆ける:有森裕子/6止 壊れようが行くだけ行く
<国のスポーツ政策には注文がある>
スポーツ省、庁どっちでもいいんですけど、つくってほしいですね。
スポーツは人間育成に一番大事な要素を持った手段。膨大な予算があってほしい。
そこから生まれる影響力はすごい。そういう人たちが社会に起こせる波は大きい。
そこが継続して根強くできていけば、そこに若いころから予算が落ちていけば、
今問題になっている人間力っていうのはついていくんじゃないですか。
それはどんな時代でも必要なこと。
日本ではスポーツの社会的地位が低いと感じます。
スポーツもブームにならないとみんな乗ってきません。
日本はスポーツの重要性じゃなくて、ブームの重要性。
ブーム、はやりのものにいかに乗っているかということだけで注目する。
そこにおカネが落ちちゃう。
アスリートがしてきたことも欧米とは違うんだと思います。
日本のアスリートは社会とつながっている感覚を持ちづらい中でやってきました。
社会とはセパレートしていますよね。
<昨年は16年東京五輪招致大使も務めた>
東京は環境に優しい五輪をアピールしましたが、発展途上国はエコなんて
言っている場合じゃないですよ。
まず普通に生きていく生活をつくることにヒーヒー言っているんですから。
スポーツの力を借りてでも国を正常に機能させる必要があるのは、東京じゃない。
東京は十分に何でも持っています。
来たら来たで変わるものはあったと思うし、来てほしかったですけど、
リオデジャネイロに決まって、別に「なんで?」という思いはなかったですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ですよね、スポーツのポジションは非常に低い。
趣味の延長的に捉える人もいますし。
社会が熟成して、多様化が進む程に、人の興味は分散。
スポーツのライバルは他競技ではなく、
ipodやケータイやディズニーランドであったりする。
様々な競技の協会・連盟・日体協が、
プロのマーケティング会社をつけて、本気でリサーチする必要がある。
(まあ、莫大な金が掛かるから、それこそスポーツ省による税金投入が不可欠だが)
経済が落ち込めば、必要最低限の事以外は関心が集まらない。
究極に言えば、確実に求められる衣食住以外のスポーツに、
常に関心を呼ぶには、もっと根源的な要素を伝えないといけないでしょうね。
スポーツって何なんでしょうか?
有森さんのおっしゃるように、人間育成という「心」に着目した捉え方も有り。
イギリスでは、そこに国の予算をつけていますからね。
もちろん、その要素の割合は大きい。
自分自身も部活というスポーツに育てられたし、
ビジネスでも、自分の周りのできる奴は皆、体育会系だし。
厳しい場面を耐える精神論・・・この延長の心の部分は大きいと思う。
今後の日本では、この心よりも、もっと直接的な「体」という点が拡大していくべき。
健康→医療費削減という点ですね。
これなら税金投入しやすいし、
子供から高齢者まで、何かしらのスポーツを行う運動もできる。
体を動かす人が多くなれば、改めてプロスポーツへの関心も高まるでしょう。
身近なアマチュアスポーツ選手への関心も増すかもしれない。
消費者の着目度が上がれば、企業も金を出しやすい状況となる。
スポンサーシップも助長される。
イギリスの事例のように、
数値を用いた科学的根拠によって、
心と体への好影響を、もっと政府が関心を持ち、予算をつけて、
スポーツ界は、教育界・医療界等と連携して、
精神論ではない、確実なメリットを謳いながら、そのポジションを築く必要がある。
日本は日本なりの在り方で良いでしょうね。
まあ、この日本ですから、
国ではなく、民間主導でないと、何も動きませんから、自ら仕掛けるしかないのでしょう。
それにしても、有森さんの「ブームの重要性」という表現は面白いですね。
確かにその通りの傾向があります。
そして、東京五輪の話・・・招致大使でありながらと世間に言われるでしょうが、
有森さんに同感です。
カンボジア支援活動があっての話と思いますが、
ブラジルでも、まだまだスラムの状況もありますし、
五輪本来の意義を問えば、
東京以外が優位に立つのはわかります。
招致大使が言う意味は大きいです。
よくぞ、言ってくれました感もありますね。
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