http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200911300008a.nwc
■概略
【スポーツ経営放談】帝京大経済学部教授・大坪正則
■Jリーグと協会、一丸で再生を
Jリーグは、11月理事会で、資金難の大分トリニータに、05年創設の公式試合安定
開催基金から3億5000万の融資を行い、来年1月末に、2億5000万円の追加融資。
基金残高約10億円の内、約60%を融通。
≪チーム決算、吟味せよ≫
大分は、今季に入り成績低迷に伴う入場者減や人件費高騰などで借金が一気に膨らみ、
累積赤字11億円、債務超過5億6000万円に。06年より前から経営破綻状態であり、
その頃から既に資金繰りが悪化していた、リーグが対応を放置していたことは明白。
リーグ全体も恐ろしい状況になっている。
08年度の経営情報によると、J1(18クラブ)とJ2(15クラブ)の累積赤字が117億円、
資本金合計が161億だから、債務超過まで44億円しか残っていない。
多くのクラブが厳しい経営環境に直面している。
現在、リーグが全国市場、すなわち、テレビ・マーチャンダイジング・スポンサーシップの
現金化から得た収入はリーグの経費その他を控除後、各クラブに分配される。
だが、リーグからの分配金はクラブ収入の10%に過ぎない。
他の国、特にヨーロッパのサッカークラブではありえない構造だが、日本のクラブは
クラブ運営費の残り90%をチケット販売とスタジアムの物品販売で賄わなければならない。
そこで、クラブは、出資会社を中心とする広告料獲得とホームタウンでの商品販売に力を
入れることになる。しかし、資金力のある会社が出資するクラブは何とか収支を整えることが
可能だが、資金力の乏しい地元の自治体や企業に支援を仰ぐクラブは収入不足に陥る。
≪ビジネス統合も一案≫
悪いことに、10年に入るとさらに環境が悪化すると予想される。
なぜなら、企業のスポーツ関連広告予算が、2月のバンクーバー・オリンピックと8月の
ワールドカップ(W杯)に振り分けられ、リーグ向け予算が削減される可能性が高いから。
リーグのビジネスが低迷する一因は、リーグの人気が、ホームタウンを中心とする
サッカーファンに盤石な形で根付く前に日本代表に移ったことにある。
ヨーロッパと違い、リーグの歴史が浅かったためだが、今は仕切り直しが必要だ。
リーグの窮状を救うには、ドイツのサッカー協会とブンデスリーガが放送権利料を
一括管理するように、リーグと日本サッカー協会がテレビ・マーチャンダイジング・
スポンサーシップの全国市場でのビジネスを統合するのも一案である。
同時に、各クラブの累積赤字が解消されるまで、リーグ関連の直接経費を除く、
ユースや女子の育成費用などの間接経費を抑制することもやむを得ない方策だと考える。
【プロフィル】大坪正則
西南学院大学商学部卒。70年伊藤忠商事入社。99年に潟jッポンスポーツマネジメントを
設立。04年帝京大非常勤講師。現在は経済学部経営学科教授。専門はスポーツ経営。
http://blog.nippon-sports.com/
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非常にわかりやすい記事ですね。
2010年、確かにそのような気配がしますね・・・
大手企業程に、大きな大会=露出性を求めるのは当然ですし。
プロスポーツが露出命=広告露出効果のみと、企業に考えられている限り、
この関係は今後も変わらず、
時代や社会の中で、スポーツは必ずリスクが伴うポジションとなります。
Jの場合、ここまでヒントが大坪氏から出ているので、一アクションとしても、
速攻対処を要するのでは?
大手企業の予算は、大手広告代理店に掛かってくるから、
代理店は、既に10年の予測ができていますし。
代理店としても、でかい金額が動く、大きな大会を推奨する為、
余計に現実化するのでしょうね。
基金残高4億や累積赤字を考えると、
確かに、華やかなJリーグもかなりレッドゾーンなのか。
既に、各所で対応策が練られているはずですが、
早いアクションを望みます。
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