http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090311-00000015-spnavi-socc
■概略
「弱みを強みに」 町田ゼルビアの巧みなスポンサー戦略
JFL(日本フットボールリーグ)・FC町田ゼルビアは11日、東京・町田で記者会見を開き、
町田市、小田急電鉄株式会社、学校法人玉川学園、株式会社ジェイコム関東の4者が、
協力して町田ゼルビアを支援していくことを発表。
併せて、胸に「odakyu」、背中に「玉川大学」のロゴが入った今季のユニホームも披露。
将来Jリーグ入りを目指す町田ゼルビアにとって、自治体である町田市の協力は不可欠。
だが、ほかの3者の協力体制はいずれもユニークであり、かつ明確だ。
★小田急は胸スポンサー料のほかに、電車内広告や町田市内にある3駅での広告掲示を
無料提供する(試算では年間2000万円ほど)。
★玉川学園もスポンサー料以外に、在校生(幼稚園から大学院まで、通学・通信含めて
約2万人)や地域を巻き込んだ応援、さらにはスポーツビジネスを学ぶ場として学生の
インターンシップ、体育授業やクラブ活動への指導者派遣など、人材交流を視野に
入れている。
★ジェイコムは、新たに独立した応援番組を立ち上げ、さらには町田ゼルビアの今季
ホームゲーム17試合をノーカット放送することで、新たなファン層の開拓にも一役買う。
経済状況の急速な悪化に伴う広告不況がスポーツ界にも深刻な
影響を及ぼしている中、JFLクラブの胸スポンサーに小田急のような大企業が
名乗りを挙げるのは、極めて異例なことである。だが、それ以上に特筆すべきは、
町田ゼルビアの「弱みを強みに」という柔軟な発想の転換だろう。
もともと町田市は典型的なベッドタウンであり、市内に大口スポンサーを期待
できそうな企業は見当たらず、この点がクラブ経営でウイークポイント
になると思われていた。しかし、ベッドタウンのクラブゆえに注目する業態も確実に存在する。
それが鉄道(小田急)であり、学校(玉川学園)であり、ケーブルテレビ(ジェイコム)であった。
小田急=「われわれは沿線の生活に密着した事業。町田駅は小田急線で新宿に次ぐ
乗降客数を誇り、しかも小田急デパートもある。景気悪化の厳しさもあるが、
そういう時期だからこそゼルビアを応援することで、
小田急にも愛着を持っていただけると認識している」
玉川学園=「玉川学園という名称は、学校のみならず、小田急の駅名、そして町の名前
にもなっている。今年で創立80年になるが、地域とともに育ってきた背景もあり、
今回のスポンサーの話も地域との連携活動の一環と考えている」
ジェイコム=「もともと町田とその周辺には、多くのお客様がいる。そして、お客様の見たい
ものを提供するのは、ケーブルテレビという地域メディアの役割のひとつ。
今は業界も厳しいが(ゼルビアを応援することは)差別化にもつながる」
こうした支援する側・される側の思惑が一致して、JFLクラブとしては破格の
スポンサー契約が実現。“弱みを強みに”転換させる町田ゼルビアの巧みなスポンサー戦略。
それは、昨今スポンサー獲得で苦しむJクラブにも、何かしらのヒントを与えるのではないか。
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アマチュア選手が学ぶべき、重要ポイントはただ1つ。
支援する側・される側の思惑が一致・・・
=スポンサーニーズとスポンサーメリットを一致させるという点です。
スポンサー候補社(企業)は千差万別。
企業目標・事業内容・営業戦略は、全ての企業で異なるのですから、
スポーツに求める目的・戦略も全て異なる。
広告露出が目的でない企業に、競技ウェアのロゴ露出の度合い(露出効果)だけを
訴求してもミスマッチングという事です。
多くの選手は、ウェアやマシンの広告スペースを売るだけに終始しますが、
果たして、企業はそれを望んでいるのか?
このような原点から考えて、スポンサーニーズを探っていく必要があります。
極端な言い方をすれば、
ウェアやマシンの広告スペースをスポンサーメリットとして提示しなくても
スポンサー成約は可能です。
広告スペース以外の「支援する側の思惑」に一致させればいいのですから。
今の時期だから、会う選手、会う選手、いえ、プロのクラブ担当者でさえ、
いいスポンサーが見つけられないと口にします。
上記を例に、今一度、身近な所から再考してみてはどうでしょうか?
いくらでもターゲット企業はあるはずで、
あまりにも盲点になっていて、気が付いていないだけなのではないでしょうか?
町田ゼルビア、苦しい中で立派です。
頑張って下さい!
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一般論として、広告スペースの販売額=露出効果が必ずしも一致していないスポンサーシップがまかり通っていた中で(ある意味、スポンサーシップでなく、タニマチを探しているようなものです)、広告だけに頼らないギブ&テイクのあり方・・・
スポンサーニーズとスポンサーメリットを一致させるアイデアが必要です。
町田ゼルビアには、このようなマネジメント面で、他チームの手本となってほしいですね。