http://diamond.jp/series/sports_opinion/10046/
■概略
企業スポーツ「崩壊」へ。時代が求め始めたアマチュア選手の“自立”
大不況が吹き飛ばした“企業丸抱え”の競技生活
@優勝でも廃部、選手が見せた最後の意地
西武は今季限りでの廃部が決まっている・・・
西武の廃部は、“企業スポーツの崩壊”が本格的に始まったことを
示す象徴的な出来事といっていいだろう。
日本アイスホッケーリーグがスタートしたのは1966年。これに合わせて創設された
のが西武鉄道アイスホッケー部。西武鉄道グループ総帥2年目の堤義明氏が大の
アイスホッケー好きで、鶴の一声でチーム創設・リーグ参加を決めたといわれる。
Aファンよりも先にオーナーに深々と一礼!?
東京では品川プリンスのアイスアリーナが会場になることが多かった。このアリーナの
隅の最上部には特別に作られた部屋があって、堤氏はここで観戦する。
選手は試合終了後、応援してくれたファンにではなく、まずこの部屋にいる堤氏に
向かって深々と一礼をするのだ。
確かに堤氏はアイスホッケー界最大の功労者。協会関係者が気を遣うのも選手が感謝
するのも分かる。だが、そのシーンはまるで堤氏が王様で周囲は下僕。
選手は王様のために闘う戦士のようだった。
B“社長の道楽”で始まったチームも・・・
企業がスポーツ活動を行なう理由が、会社のイメージアップやPR効果、社内求心力等。
チームが好成績をあげればイメージアップにつながるし、マスコミに取り上げられる事で
社名もアピールできる。同じ社員が大会で勝利すれば社内が盛り上がるのも事実。
だが、それは副次的なものであって、結局満足しているのはトップだけだったりする。
道楽的な要素が強いといわざるを得ない。
“社長の道楽”でスポーツ活動していた典型的な例をあげておこう。
筆者が知っている地域のバドミントンクラブのOGで、日本リーグに所属する実業団
チームに入った選手がいた。ところがその会社の社長が急逝。
1ヵ月もしないうちに廃部が発表。チームを持っていたのは社長の道楽に過ぎなかったのだ。
その選手は廃部とともに解雇され、今はフリーターをしている。
ただし、必ずしも道楽が悪いというわけではない。ヨーロッパのサッカークラブなども
大富豪が道楽で始めたケースが多い。
だが、運営の発想が違う。地域クラブとして根づかせ、多くの人に
必要なものとして支持されるところまで持っていくのである。
トップの自己満足で終わっている多くの日本の企業スポーツとは
大きな違いである。
Cチームに頼らない競技生活へ、アマチュア選手に求められる自立
スポーツ界でも昨今は暗い話ばかりだが、そんな中、ちょっと心温まるニュースがあった。
女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」に荒川恵理子選手は日テレ・ベレーザに所属
しているがプロ契約は交わしておらず、日常は実家近くのスーパーでレジ打ちをしている。
この荒川が米女子プロリーグのベイエリアというチームに移籍することになった。
スーパーは退職するのが普通だ。が、いつでも戻れるようにと「休職扱い」にしてもらった。
チームに頼らず自立したうえで競技をしているから、このような身の
振り方や温情を受けることができるのだ。
また、筆者が取材したアメリカンフットボールのクラブチームの話。大手飲料メーカーが
サポートしており社員も数名いるが、選手の多くは他の仕事に就いている。
会社が行なっているのはリーグ加盟料・用具代・グラウンド使用料・交通費等のサポート。
それでも大きな金額になるが、社員として会社に抱え、給料を払うことを考えれば割安。
この方式なら活動を続けられるチームも多いだろう。
選手は自分で生活を成り立たせたうえで、競技を行なう。
企業丸抱えの競技活動は崩壊し、このようなクラブチームが
これからは増えていくだろう。
企業スポーツは高度経済成長期に隆盛した。業績は右肩上がりを続け、その勢いが
スポーツ活動に結びついた。その中にはトップの道楽として作られた部もあったが、
社員も株主もとやかく言わなかった。
選手の側も、そんな状況に甘えていた部分もあったはずだ。
スポーツで好成績を残せば食っていけると。
それを時代は許さなくなりつつある。
企業アマチュアはもう成り立たない。
アマチュア選手にも“自立”が求められているのかもしれない。
非常に良い記事を見つけました。
昨年末の金融危機以来、企業スポーツの廃部が相次ぐ中で、
多くのスポーツ評論家達がそのリスクを説いています。
その中でも、上記はアマ選手にとって、わかりやすい表現と思われる為に
ピックアップしました。
対策の一例としてクラブ化が挙げられますが、非常に時間がかかる手法。
戦略的に構築しなければならないのは言うまでもありません。
今回の記事で言いたい事は、「クラブ化」よりも選手の「自立」。
企業スポーツ選手を始め、全般的にプロ・セミプロクラスは、
競技で戦績を得ていれば良いという感覚を持つ選手が多い。
自分のマネジメントが疎かで、いざという対処に困るケースをよく見かけます。
事が起こってから困惑しても遅い。
事が起こる前に準備・予防する。
前ブログ記事でも述べたが、このクラスのスポーツ選手は
一経営者、一個人事業主でなければならない。
サラリーマン感覚ではなく、経営者感覚。
特にスポーツ選手に求められる資質と考えられます。
(逆に経営者感覚の度が過ぎて、スター気取りでお山の大将という選手もいます。
スポンサー企業なんて、とにかく金さえ出してくれればいいんだよ的な発言を
した某競技・某選手には、さすがに切れそうになりましたが。)
経営者感覚を持って、自らの去就・報酬・将来をコントロールする。
競技年齢を過ぎた未来生活まで計画する。
競技成績のピークの時こそ、先のことを考える。
(セカンドキャリアが課題になっている所以ですよね。)
TOPを狙う為に、競技のみに専念して、後の事は流れに任せる・・・
このようなタイプの選手が、後に壁を迎えた時に乗り越えられないケースが多い。
もし、まだ先の事はあまり考えていないという選手は、
是非、今から自分のスポーツ人生を再考してみて下さい。
きっと、やるべき事がたくさん見えてくるはずですよ。
一般アマチュア選手についても同様の事が言えます。
競技で生きていきたいならば、競技も大事だが、生活収入も大事。
そのバランスを常に考えて下さい。
上に昇る為に技術が必要ならば、早い時期からTOPコーチをつける。
上に昇る為に資金が必要ならば、早い時期からスポンサーを依頼する。
何もかも、自分自身で決断し、
どのような試練が訪れても、回避、又は、乗り越える準備が必要です。
一言で言うと、自立心。
頑張って下さい!
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