http://www.cnn.co.jp/showbiz/35040136.html
「72メートルの素潜りに挑戦の男性、浮上後に死亡」
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フリーダイビング国際大会「Vertical Blue(バハマ2013年11月9〜19日)」で、
USA選手が亡くなり、大会が中止された。
11月30日時点も経緯・原因の調査中という事で、
AIDA(アプネア国際振興協会)や日本フリーダイビング協会のサイトでは
報告が挙がっていない。
弊社は、参戦した岡本美鈴のパーソナルマネジメントという立場なので、
この事故に細かく言及できないのだが
(まして現地警察・消防などの機関から調査報告が出ていない時期であるし)、
所属選手の生死に関わる事なので、言いたい事が山ほどある。
過去、静体(建築・機械など)の構造設計士として安全を追究してきた。
その延長で、安全を追い求めるには動体(自動車・遊戯物など)や、
その他の知識(チェルノブイリ放射能や設備危険物など)も必要として、
研究してきたつもりだ。
建築基準法の安全設計(構造面)にも、隙が存在する位なので、
法律以上に安全・安心を追究しなければならず、その追究度は人一倍と自負する。
日本は人命第一という御国柄なので、
海外のルールでは物足りない場面が多い。
日本人の安全追求には、例え海外の地でも、日本仕様の安全追求が必要だ。
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そのような視点でスポーツ界を見ると、まだまだ安全策の改善が欲しいと
思える場面に出くわす事が少なくない。
危険なスポーツ程に、観たい気持ちが高ぶるし、そういう危険に立ち向かう
アスリートを尊敬できる。
スポーツの安全性を選手に求めるのは、根本的に難しいもの。
競争である限り、極限を求めて行くのが選手であり、Top of Top程に
アドレナリンMAX状態で1番を狙って争う。
そこに生まれる危険を回避させる責任は、
基本的にオフィシャル(協会・連盟・主催者)が保有するはず。
責任の取り方まで事前に決めておくべきだ。
モータースポーツ=F1セナの死亡事故は非常にショックだった。
以降、マシンレギュレーションを始めに改善されたが、
F3・F4・SFJなどミドルフォーミュラやレーシングカートに、
F1の最先端(?)安全知見は活かされているのか?
つい先日、ジェットスキー世界大会でも死亡事故が
起きてしまった。
2輪の場合は、体がむき出しなので、高速程に危険。
現在のヘルメットは本当に究極なのか?
エアバックシステムをもっと駆使できないのか?
格闘技=各興行にはドクターが付いているものの、危険と隣り合わせ。
リスクを減らす為に早めにSTOPを掛けても、
試合後に後遺症が出るケースもあるし。
興行によって、試合中の事故責任を主催者に求めない、
という契約書を結ぶものもあるが、それでいいのかな?
スカイスポーツ=言うまでも無く、落ちたら終わりの危険性。
パラシュートを背負っていれば安全、とは言えず、
第二、第三の策も必要とされるであろう。
ウイングスーツは海外では死亡事故が多いと聞くし。
言い出したらキリが無いが、サッカー・野球だって、危険性を伴う場面はある。
安全という言葉に、本来は「過剰」という言葉は存在しない・・・これが一般社会での安全性。
建築界の場合は、構造設計において、最後の安全率が1.0以下になるように
計算するのだが、0.1でも0.99でも安全という事になる。
しかし、0.1では安全過ぎ、コストが高くなるから、0.9位で落ちつけろ、
と指令が出る場合もある。それは計算者の判断で決まる。
計算が完璧でも、現場で施工不良があったら、その計算は結果的に1.0を
超えるケースもあり、危険設計をしたと外野から言われても、
計算者が全責任を負うのか?という事になる。
無論、それは、計算者個人ではなく、企業単位の責任論となる。
では、スポーツの安全率はどのように設定すべきなのだろうか?
誰が責任を取るのか?
確かに、例えば総合格闘技で、眼底骨折を避ける為に10オンス、20オンスの
グローブで戦え、、、なんてルールができたら、
選手は勿論、観客も萎える・・・こりゃMMAじゃないよと・・・
じゃあ、どこまでオープンフィンガーグローブを厚くしようか?という安全議論が
仮に出た場合、安全率は実験によって算出できる。
但し、膨大な実験費用が掛るであろう。
何mm厚の布地で衝撃力を○%減少できる、というデータを取って行けば、
完璧とは言えずしも、より安全率を高めるパンチ安全策は数値化できる。
ボクシングの場合は、頭部の骨の硬度や脳の揺れ方を医学的に研究すれば、
競技人生上のパンチの受け数の限界値(?)が算出されて、
パンチドランカー対策になるかもしれない。
(このような事を書きながらも、超デンジャラスな菊田vs桜木・素手マッチなど、
大興奮しますし、この危険に向かう所にリスペクトが生まれる。
当り所が悪ければ死も有り得るけど、このようなスポーツを否定しない。
よって、「有る程度の安全率」が必要で、プロである限り、安全率を超える
事は止むを得ない、としなければならない。ちょっと極端な事例ですが。)
先日の韓国F1では、最先端の安全基準がありながらも、手落ちが発生したし、
カナダF1でも事故が生まれてしまった。
F1だからこそ、消火やクラッシュに対するマーシャルの動きは細かく規制されて
いるはずなのに、えっ、そんな事で?と思われても仕方ない事が発生する場合もある。
そうなってくると、どこかに「人災」の疑いも出てくるであろう。
当人責任の事故なのか?人災なのか?
安全を考える上で、究極まで調査すれば、社会が情報公開を求めれば求める程に、
その原因追究の責任の所在が狭められる。
どんなにルールを極めても、もっと安全に、もっと安全に・・・・と、
建築界の安全率のように、スポーツも安全率を日々高めて行かないと、
死亡事故は減らない。
安全率は、一度設定すれば終わりではなく、日々動くもの。
だから、安全率をキチンと算出し、日々ハードルを上げて行く事が、
スポーツでも建築でも自動車でも飛行機でもエレベーターでも何においても必須。
ここまでが一般論。
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前置きが超長くなってしまいましたが、
本日、
日本フリーダイビング協会主催の「第1回フリーダイビング安全フォーラム」に
部外者(協会会員ではない)なので¥500を払って参加してきました。
「第1回」「安全」というキーワードがあったので、
前述のUSA選手事故の報告があるのか?と思い、タクシーですっ飛んで行った。
やはり、現地調査結果がまだ来ておらず、
現地→AIDA→JAS(日本フリーダイビング協会)の報告手順を待たなくては
ならないとの事だった・・・
岡本美鈴の参戦は、応援者・支援者・メディア・関係者など、
少なくとも1000名弱には、こちらからも「バハマで記録作って来ます!」と
案内を行い、その結果を、まだかまだかと待って頂けた方が多いので、
事故で大会中止となり帰国します、、、だけの報告では
済まされない社会的責任もある。
それは、弊社マネジメント以外の選手にも同様である。
(実際、大会最終日にはリリースを送付すると伝えてあったメディアから
問合せが入ったし、近い支援者からメール問合せも・・・
現地情報が何も判らない状況で、的確な返答ができないもどかしさがある。
それは今も続いている。)
しかし、この事故の調査報告を待たなければなrない。
競技人口100〜300人と言われる超マイナー競技だからこそ、
キチンと情報公開し、究極に安全追究を行い、
他競技よりも安全ですと、明確に断言できる程の事故調査結果報告を行う事が、
競技普及には必要であり、信用性・公正性にも繋がるはずだ。
関係者の方々には、日本フリーダイビング協会からの報告が発表されるまで、
もう少しお待ち頂けるよう、御願い申し上げます。
(ぶっちゃけ、当記事を出すか出すまいか考えましたが、
出さずにはいられない状況がある為に、記事アップさせて頂きました。
この手の話は、関係者が考える以上に、社会影響が大きい事です。)