http://news.livedoor.com/article/detail/6440384/
■概略
北島康介 実力一流 稼ぎ二流
<競泳日本選手権>
輝かしい実績の割に、周囲の評価は決して芳しいものではない。
ロンドン五輪出場を決めた水泳の北島康介(29)。
ロンドン五輪では前人未到の3大会連続金メダル取りを狙う。
2005年〜実業団や団体に所属せず、プロ活動しているものの、実績と稼ぎは比例しないという。
賞金や報奨金以外の主な収入源は、企業からのスポンサー料。
現在、スポンサー契約を交わしているのは清涼飲料水、自動車メーカーなど計4社。
契約金は年間1億円が最高らしく、他の企業は5000万円にも満たないとか。
中には北島が拠点とする米国での活動費用しか支援しないケースもあるそうだ。
広告関係者が「稼いでいるように見えて、副収入は2億円もいけば御の字ではないか」と。
「過去にAV女優と浮名を流すなどイメージに問題がある上、自由奔放な言動を問題視して
スポンサーを務めることに二の足を踏む企業は少なくない。
公の場で不用意な失言でもされたら企業イメージまで悪化しかねないからです。
過去実績からすれば、少なくともあと3〜4社のスポンサーが付いてもおかしくありませんが・・・」
もちろん、副収入2億円なら一流アスリートには違いないが、海外トップスイマーに比べれば寂しい。
ライバルであるアレクサンダー・ダーレオーエン(26=ノルウェー)は北島より実績は乏しいものの、
自動車、精密機械メーカーなど6社と契約。総額で4億〜5億円の稼ぎがあるといわれる。
欧州でのチャリティーやボランティア活動に積極的な姿勢が、企業の共感を呼んでいるという。
現時点での北島、実力はともかく、収入はライバルの足元にも及ばない。
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うーん、これを読んで北島個人をどうこう書くつもりは全くない。
ただ、当ブログを読んでくれているアマ・アスリートにとって、
色々な観点からのヒントが記載されている記事だったので、取り上げてみます。
日本のスポーツで、プロ・アマを定義するのは難しい。
勿論、実業団(給与・報酬を得る)ではなく、副収入(アルバイト等)を要せず、
企業スポンサーからの協賛金だけで喰えるアスリートをプロと呼びたいが、
プロサーファー・プロテニス・プロ格闘家・・・・プロと表現するものの、
実際はアルバイトをしないと競技継続できない=職業的にはアマチュアと分類されるべき、
ケースもあるから、プロアマの定義付けは難しい。
(2億を得る北島は立派なプロ選手だ)
で、大事な事は、プロ=企業スポンサー協賛金を得るには、
昔は強ければ完結していた時代もあったけど、
現代の社会では、強いだけでは喰っていけない、、、という側面が有る事も確か。
北島をどうこう言うつもりはないが、
もっと社会性が高ければ、もっと稼げるのに・・・というゲンダイさんの記事は正しい。
金を出す側の企業の社会面からの傾向を見れば一目瞭然。
ネット普及で情報入手が容易となり、情報公開が当たり前の時代となり、
不正・不祥事をチェックするのは当局や専門機関だけでなく、
一般消費者こそが企業を監視する社会となった事もあるし、
マーケットイン・One to One・CRM・・・などの業績へ結び付けるマーケティングが
大きく変わった事もあるし、
海外からCSR概念が導入され、善意・イメージUPの社会環境貢献では役不足となったり、
マクロな視点で見ると、企業と消費者の距離が大きく近くなったと言えるはず。
そんな中で、
極端な話、どんなに強くても、消費者から反発される=社会性不足と判断されるアスリートに
投資する事を、企業が嫌うのは当然の事。
レピュテーションに影響して、不買でも起きたら大変だ。
ブランドは中長期で形成されるから、1ミスが命取りになる。
よって、アスリートも、企業同様に社会性を求められる。
以前も書いたが、アスリートの社会的責任=ASR(Athlete Social Responsibility)。
勿論、強ければ、TV中継競技なら広告露出効果があるので、
売上に直結されるという広告にダイレクトに繋がるから、
多少、社会性が無くても、露出さえできればOKという考えの企業もある。
しかし、広告=売上という構図も変化してきており、
マスメディアだけに頼るのではなく、SNSやバズマーケティングも売上影響する時代に、
TV露出さえすればいいのか?と考える企業も多くなっている事実がある。
勝負の世界なのだから、強い事は当然、大事。
ただ、強いだけじゃ喰っていけない時代に突入している事を、全アスリートが認識すべき。
プロ程に、こういった考えを認知したくない傾向が少しありますね。
スッと環境変化を認知し、その対応を取る選手がいる。
意識が一番大事で、この環境変化を読みとれるかどうか。
近くにいる監督やコーチの影響も大きいですね。
スポーツしか知らない監督やコーチがいたとして、
いや、スポーツ界の常識はこうだから、とにかく強けりゃいいんだよ、と指導していたら、
それは選手が可哀想だ。
監督やコーチの時代とは、もう世の中は変わっているんだよと、
選手より先に、監督やコーチに教えないといけないかもしれない。
今、様々なアマアスリートから、20万でもほしい、200万で御の字、
2000万あれば立派な競技環境を整えられる、、、、という言葉を聞く中で、
何故2億も協賛されるのか?
その基礎は、確かにテレビ露出にある。
ただ、それはもろい・・・ちょっとした出来事で、2億はゼロになる。
テレビ露出を主とする収入は、テレビに出なけりゃ生まれない。
(仮に水泳競技はTV中継されず、五輪競技では無いとすると、200〜1000万がいい線。
勿論、キャラや容姿などもゼロと仮定した、純粋な選手投資という場合だが。)
だから、
当ブログ読者のアマチュアアスリート達に言いたい事は・・・
・競技者なら、強くなって頂点を目指すのは当然。プラス、社会性を持つ事が大事。
・アマチュアでもプロ意識を持つべき。そうじゃなきゃ、協賛は取れない時代になる。
社会性を持つってどういう事?
プロ意識って何?
と言う方は、御相談下さい。
ここに関心を持った選手は、意識改革のベースはあるのだから、もう少し意識を変えて、
競技資金も増やし、ファンも増やし、結果的に戦績向上となる道の方向性を伝えます。
その方向に走るのは、当然、アスリート本人。
走るのは監督ではなく、コーチではなく、マネージャーではなく、アスリート本人。
(方向を間違えると、お山の大将、裸の王様に成りかねない)