先日、あるアスリートと話していて、
何千回と聞いている言葉が、その選手から発せられた。
「優勝を取り続ければ、スポンサーも来るはずだし・・・」という言葉。
答え=来ません(笑)
戦績を上げれば、又、上記キープしていれば、協賛金は向こうからやってくる、
と考えるアマ選手は非常に多い。
確かに表面上、そう見えるかもしれない。
しかし、良く考えてよ、その論理は?と質問しても判らない選手が殆どだし、
スポーツビジネスに関わる大人でも答えられない方もいる。
そこを紐解けば、スポンサー獲得率も変わってくる。
TV中継競技のプロの場合、、、、
※戦績が高い
→1・TV露出時間が長い
→2・企業広告時間が長く取れる
→3・企業商品認知のリーチが高まる
→4・企業商品が購入される確率が上がる
→5・企業売上が上がる
これが最も基本的なプロスポーツと企業(協賛金)との関係。
つまり、戦績そのものに投資しているのではなく、
「戦績が高い」事によって生まれる「企業のスポンサーメリット」に投資している、
というのがビジネス上の常識だ。
戦績TOPでも、5に着地する経緯(2〜4)が無ければ、企業は投資しない。
逆に言えば、戦績下位でも、5に着地する経緯をプレゼンできれば、
投資してもらえるケースが実際にある。
(私は、マイナー競技アマ選手の戦績下位選手には、いつも後者を指示している)
よって、「優勝を取り続ければ」が実現できても、
必ずしも、スポンサーが向こうからやってくる、という事は無い。
マイナー競技アマ選手は、TV中継がないのだから、
その分を他のスポンサーメリットで補う必要があるが、基本的には上記と同じ。
戦績が高い=注目を受けやすい・・・・
これをどう5に着地させるか。
その着地に対して、企業は資金を出す。
戦績自体が高くても、様々な事由で投資しない思考になる企業が多い事は、
上記の構図が成立しないから、という多くの企業の認識の共通点がある。
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そして、もっと大事な話をすると、
戦績やスポンサーメリットよりも重要な事がある。
それは、「信用・信頼」だ。
人間性と言う言い方をする人もいる。
どんなに戦績TOPの偉人でも、挨拶もろくにできない、目線を合わせられない、
といった社会人に達していない選手には、企業も興ざめするし、
成約はできたものの、スポンサーメリット実行という約束を守らない
社会常識の無い選手は1年未満で切られるし、
(つまり、協賛金と寄付金を間違えている)
様々な場面で、企業経営者は、アスリートにも最低限の企業人レベルを要求する。
基礎レベルでこれに達していないと、社会人失格として、
信用・信頼関係が築けずに、すぐに終わってしまうケースもある。
その選手に会った事がない経営者は、確かに戦績プロフィールだけで、
自社のスポンサーメリットを想像し、その選手に関心を高めるケースもあるけど、
会ってみたら話が飛んだ、というケースが非常に多い事は報道にも乗りません(笑)
親の職業や組織や常識感覚が影響する事もある。
ビジネスなら信用調査があるけど、
本来であれば、アスリートにも信用調査があってもおかしくない。
(過去に協賛金持ち逃げという事例もあるから、企業ももっと慎重に選手を選ぶべき。
戦績が高い=売上向上に繋がるだろうという安易な話にするべきではない。
選手自らも厳しく臨み、企業サイドも厳しく臨むのが、スポンサーシップの在り方。)
戦績は高いけど、信用・信頼感が無い選手と、
戦績は高くなくても、信用が有る選手で比べたら、
必ずしも企業は前者を選ぶとは限らない。
マイナー競技のアマ選手なら、プロに比べてそれらが如実だ。
PS・アスリートの信用・信頼への不足を、マネジメント会社が補うという形もある。
アスリートという個人の口座に振り込むより、鰍ノ振り込んだ方が、
スポンサー企業も安心するし、契約書も鰍フ方が当然、濃いですしね。