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2011年12月04日

スポンサー企業への恩返しとは

■ソース
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2011/11/22/kiji/K20111122002084420.html
■概略
売り上げ160%UP!川澄のひと言でついに工場増設
川澄PRで工場増設。なでしこリーグで無敗優勝を果たしたINAC神戸は21日、
熊本県内にあるスポンサー企業などを訪問。
FW川澄奈穂美(26)がW杯直後の試合で、「黒糖ドーナツ棒をご存じですか?」と
試合後のマイクパフォーマンスで大々的に告知したことで売り上げが急増した
「フジバンビ」は工場と配送センターの新設を決定。
“冬の時代”を支えた同社が想像以上の恩返しを受けた。
川澄効果が止まらない。
来季からユニホームの胸スポンサーとしてこれまでの10倍に当たる3年1億円の
再契約を交わしたばかりのフジバンビが今度は工場を増設することになった。
吉田高成社長(66)がうれしそうに明かした。
「川澄さんのひと言で7、8月はお客様をお待たせしてしまいました。
供給する責任があるので、工場と配送センターを作ることになりました」
発端はW杯直後の試合で、川澄が「黒糖ドーナツ棒をご存じですか?おいしいので
ぜひ買ってください」と同社の看板商品を熱烈PRしたことだ。直後から売り上げが急増。
11月10日に放送されたテレビショッピングでも6000個用意した4000円の
黒糖ドーナツ棒が20分で売り切れたほど今でも人気は衰えず、
前年比160%の売り上げを記録している。
吉田社長の感謝の念は尽きないが、同社は2年前から支援を続けてきた。
“冬の時代”を支えてくれた同社への感謝の思いが込められたマイクパフォーマンスから
発展した工場増設。それが川澄流の恩返しとなった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「勝つ事で恩返しをします」と表現するアスリートは多い。
確かに、全般論で言えば、それは間違っていない。
但し、スポンサーシップというモノサシでシビアに言えば、
必ずしもそうではない。
勝っても、実質的な恩返しにならないケースが非常に多い。
(精神論・感情面・福利厚生面などでの恩返しにはなるかもしれない。
 ただ、スポンサーシップの殆どは、ビジネスメリットを期待されるのが、
 本質的なスポンサーシップなので、そういう面では、恩返しの域まで
 達しない場合が非常に多いと言わざるを得ない。)

寄付金を頂くのであれば、勝つだけで良いかもしれない。
しかし、協賛金を頂くのであれば、
プロ意識を持って、その先を考えなくてはいけないのが現実。
直接面談する選手には、できる限り、このような
「スポンサーシップとは・・・」という基本を説明して、
何故、勝つ事が恩返しにならないかを説明する。

協賛企業がスポンサーメリットとして望んでいるのは、勝った後の話。
勝った事によって、メディア効果が出たとか、売上向上したとか、
そのような現実的なメリットを望むのが、ビジネスであるスポンサーシップ。
ここを間違えているアスリートが非常に多い。
「勝つ」ことで止まってしまい、
「勝てば」、自動的にメディア効果や売上効果が上がるものと勘違いする。
勝っても、メディア効果や売上効果が出るとは限らないから、
勝った後をキチンと追いかけるのが、スポンサードされたアスリートの責務でもある。
これを判らない選手が多い。
ただ、それを選手の責任にするつもりは無い。
それを教える場が、スポーツ界に無いのがそもそもの課題原因だ。

何故、勝っても、それらの効果に直結しないのか?
マイナー競技ほどに、メディアリーチは無いし、
勝つ事が、いわゆる広告効果にならない。
故に、それだけでは企業の売上向上に結び付かない。

だから、できる限り接触するアスリートに対して、
勝って恩返しします、という言葉を修正するように指導するケースが多い。
何故なら、それは、
資金提供する企業視点から言えば、
この選手はスポンサーシップというものを判っていないな、と思われてしまうから。
アマ選手でもプロ意識が必要だから、
1歩先を行く、これから生き残るアスリートは、
アマだから判らないのであろうと企業に思わせるのではなく、
アマでも、プロ以上のプロ意識を持っているな、と見せるべき。

更にアスリートには、広告露出からの売上貢献ができないならば、
現実的には、他の貢献で補うべきだと伝えています。
他の方法で貢献できると。

スポーツ界は、どうしてもプロ野球・Jリーグといった、
国内TOPスポーツの周辺事情が基準になって、プロ事情をアマが真似るケースが殆ど。
その原因は、リーチの高いテレビ露出スポーツと、
テレビ中継の無いスポーツをごっちゃにしているから。
つまり、スポーツ=広告露出効果、という図式が全てに当てはまると勘違いされているから。
(だから、胸にロゴを貼るから価格不相応な資金を下さい、というアスリートを生んでしまう。
 だから、テレビ露出の無い競技の依頼の仕方を教える教育機関が必要だ。)

ファンに対しては、プロもアマも「勝つ事で恩返しします」と堂々と言っていい。
しかし、スポンサー企業はそれでは満足しない。
勝った後にどんなスポンサーメリットが出るのか、ここを問われる。
勝っても、広告露出効果が期待されそうに無い、と判断されると、
どんなに強くても投資されない。それが現実だ。

だから、マイナー競技のアマ選手が投資されやすくなる為には、
具体的な、価格相応なスポンサーメリットをキチンと提示する。
これがスポンサー獲得率を上げるカギとなる。
アスリート・コーチ・監督は、ここを磨くと、
スポンサー獲得率は飛躍的に上がる。
騙されたと思って、やってみてほしいものだ。


・・・・・・・・・・
前段が長くなったが、
話を上記の川澄PRの記事に戻そう。
売上160%なら協賛企業も喜びますよね。
マイク発言という「広告露出効果」が、その後の「売上向上」に直結したのだから。
仮に、この発言がマスメディアに乗らず、
競技雑誌1誌にどんなに大きく掲載されても、売上向上には結び付かなかったはず。

故に、上記で言うところの、
「勝った」から恩返しできたのではなく、
勝った後に、スポンサー貢献をマスメディアに乗せた事で、売上に直結させた、
という所でスポンサーシップが成立している。
つまり、
「勝つ事で恩返しをします」と表現が、単純に結果に繋がったのではなく、
選手がPR貢献する事と、それをマスメディア活用できた事が、
連動した為に、結果的に、
「勝つ事で恩返し」できたというケース。

ぶっちゃけ、川澄選手が売上向上という着地点を最初から計算済みとは思えない。
大舞台での発言が、メディアに乗ったのは結果論だ。
しかし、常日頃から、
協賛企業をPRしなくちゃいけない、という使命はキチンと持っていたはず。
そうでなくちゃ、こういう場面で、中々PRなんてできないですからね。

マイナー競技のアマ選手は、周辺にマスメディアがいなければ、
この記事のような結果を計算するのは難しい。
しかし、広告露出しなくても、企業売上に貢献できる方法はいくらでもある。


・・・・・・・・・・
もう1つ、この記事から大事な事が読み取れます。
そもそも、企業は、協賛によって売上が○%上がりました、なんて情報を出してくれない。
だからアスリートは、
スポンサーシップをプロ意識で認識して、キチンと聞くべき。
自分が協賛させて頂いて、どの位の具体的な効果がありましたでしょうか?と。

ぶっちゃけ論で、
マイナー競技・アマ選手が、いつも実質的な売上貢献を高く実現するのは難しい。
もちろん、±ゼロ以上をスポンサーメリットで目指すのは、アスリートの使命だ。
しかし、仮にそれが難しい結果になろうと、
精神面から、又、人(社会人)として、企業に貢献する誠意を言葉に表すべきです。
キチンと常日頃から売上貢献を頭に入れている、という誠意を見せるべき。
そういう精神が、企業の気持ちを変えるし、中長期的な支援に繋がる。

F1とMotoGPで、協賛効果(企業の売上UP額)を出してもいいか?と尋ねた事がある。
その時は、経営情報だから出してもらっちゃ困る、と言われたケースもある。
そう、上場企業は売上や利益が公開されるが、
非上場企業は公開義務が無い事も関係するし、
他売上と重なった、スポンサーシップonlyの効果額を出しずらかったり、
明確に、極秘にしたいという考えを持つ企業も多い。
だから、世間一般に、スポーツスポンサーシップの売上効果が出回るケースは少ない。
(だから、スポーツ界も、これだけ広告が出たでしょ、という所で止まってしまう事に
 甘えているケースが多い。企業はその先を望んでいる。
 CSR系のスポンサーシップだと、その結果が出るまで時間が掛かる。
 しかし、必ず、時間が掛かっても、実質的な数値を伝えなくてはいけない。
 スポンサードされる側のミッションだ。)


posted by sports777 at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツNEWS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アマがプロをカモる楽しさ

■ソース
http://www.nikkansports.com/sports/athletics/news/f-sp-tp0-20111204-872294.html
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/athletic/headlines/20111204-00000011-spnavi-spo.html
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20111204-OYT1T00357.htm?from=navr
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111204-00000011-spnavi-spo
■概略
2012年ロンドン五輪の男子マラソン代表選考会を兼ねた、第65回福岡国際マラソン選手権大会が4日、福岡朝日国際マラソンコースで行われ、ジョセファト・ダビリ(小森コーポレーション)が2時間7分36秒で優勝。日本人トップの3位は、市民ランナーの星、川内優輝(埼玉県庁・24歳)。
レースは、スタート直後から川内、今井正人(トヨタ自動車九州)ら国内招待選手を中心に20人前後で先頭集団を形成。20キロを過ぎたあたりから、徐々に川内らが遅れ始め、25キロでペースメーカーが外れると一気にダビリがペースアップ。そのまま、先頭を守りきり初優勝。
一方、日本人トップの3位争いは、今井と前田和浩(九電工)に絞られたかと思われたが、ペースの上がらない2人に対して、一時は9位まで順位をさげた川内が猛追。37キロ手前で今井、前田に追いつくと、三つどもえの戦いに。40キロ手前からは、川内と今井が激しいスパートの掛け合いを繰り広げたが、最後は川内が戦いを制し、2時間9分57秒の日本人トップでフィニッシュした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日の福岡国際マラソン=ロンドン五輪への切符をかけた五輪代表選考レース。
「市民ランナーの星」というキャッチコピーを持つ川内優輝(埼玉県庁)選手が3位。
途中、今回はダメかなと見えてしまった場面もあったが、
後半の追い上げは凄い。
素人にも判り易い展開で、逆転劇を演じた。
これは面白い。
マラソン玄人でなくても、一過性の技術ではない事が判る。
(当ブログ記事は、まだ玄人の方々にリサーチする前に書いています。
 普通は、この手はリサーチしてから書くのですが、それを待っていられないから、
 社会一般視点で書いちゃう(笑))

「今回も(ゴール後は)倒れると思います」と全身全霊をかけて挑むことを宣言・・・
こういう宣言が支持・共感を生む。
真のプロなら、戦略的に照準レースを絞るのに対して、
こういう全戦・全身全霊の姿は、素人には無謀な根性論に映るから、尚更、共感を呼ぶ。
(無論、川内選手もアマチュアに見えていながら、プロ・セミプロクラスだから、
 年間スケジュールや体調管理や照準の当て方をキチンと戦略立てているだろうが、
 社会一般には、「市民代表」的な報道が先行しているので、アマがプロに挑む・・・的に映る。
 陸上の場合、プロ・アマの定義も曖昧で、実業団選手はどちらかと言うと、
 スポーツ全体から考えると、セミプロの域に入るはず。
 一方、川内選手は、実力はセミプロ以上、競技環境面では公務員=アマチュアと
 定義することが妥当では?)

陸上選手、特にマラソン選手は、他のあらゆる競技の選手に比較して、相当恵まれている。
(あらゆる競技とは、プロ野球・サッカー選手は除く、マイナー競技を指す)
実業団所属であれば、競技環境は整っているし、年収も驚く程に高いケースが多い。
(まあ、川内選手の公務員も、不景気時代の中では年収が高いと言えるけど(笑))
ケースバイケースだが、他競技選手に比べて、セカンドキャリアも待っている。
他競技に比べて、考えられない年収や環境が伴うのは、
やはり、金が回る実業団競技が主体であるし、
長時間中継されるマラソンの特性(放映権料)もあるし、、、、
道具を使わずに走る、というシンプルな競技特性もあるだろう、、、、
陸上界では、選手育成・選手報酬の観点から、当たり前の環境かもしれないが、
スポーツ全体をモノサシにすると、確実に恵まれていると言える。

素人には判らない、裏側の色々な攻防や事情もあるだろう、
しかしながら、こんなに判りやすいレースは無い。
本来、「プロ・セミプロ」の実業団選手が取るべき日本人TOPを、世間が言う「アマ」が獲った。
一度のまぐれではなく、何度も・・・

誤解を恐れず、あえて言います。
アマがプロ(セミプロ)をカモる・・・非常に面白い。
強い者が勝つのがスポーツ。
(競技によっては、強くても金が無けりゃあ上に行けない競技もある)
究極の勝負にプロもアマも関係無い。

そういう中で、アマに負けるプロ(セミプロ)は、ちょっと気合いを入れ直すのは当然として、
競技環境そのものを再考しなくてはいけないのではないでしょうか?
社会は、川内選手のような雑草魂・雑草物語の方が共感する。
弱き(環境)が強き(アドバンテージ)を喰うスポーツは、非常に判り易く、
応援したくなるのが日本人の性だ。

細かい事情は抜きにして、
セミプロ選手、及び、周辺関係者は、根本的に競技環境を考え直した方がいいと考えます。
実業団所属や年収を返上して、川内対策に挑む選手が出てきてもおかしくないはず。
(無論、様々な観点からそれが無理なのは判っているが、そういう精神者が出てきてもいいはず。
 厳しい言い方をすれば、実業団企業は選手年収を減額すべき。
 何の為のプロ・セミプロなのかが問われる。
 陸上界から叩かれてもいい、スポーツ全体をモノサシとする意見を言わせて頂きます。
 全ての実業団が、勝利主義ではなく、福利厚生面から生まれたチームもある事でしょう。
 しかし、それにしても、スポーツ参戦するからには、
 企業名のプライド上、アマに負けているのはまずいのでは?
 いい意味であおりたい。)

2月の東京マラソンで2時間8分37秒で3位の際は、
「実業団には負けたくない。お金をもらわず、自分は払って陸上をしている」という状況で、
賞金200万と副賞610万のBMWを得て、以降は日本陸連から強化選手費・年150万を支給される・・・
確認をしていないが、一部報道によると、賞金も副賞も東北被災地に提供したとか(?)
事実なら、凄い事だ。
挨拶もできない30代で囲われた選手よりも、
こういう選手に資金が集まるスポーツ競技環境こそ、本来のスポーツ環境のはず。
人材的にも、魂的にも、社会的にも、
川内選手を応援し、企業協賛金マッチングをしたいものだ。

川内選手のようなアマ選手は、他の競技でも沢山いる。
特にマイナー競技の世界では、
報道が無い分、こちらで探さなくてはならないが、
探せば探す程に出てくる(笑)
もう少し競技環境がUPさせれば、アマがプロをカモる状況を生み出せる、
といった状況に類似させるケースは沢山ある。

日本では、プロ・セミプロ・アマの定義が競技によって異なるし、
中々、共通化表現できないのだが、
仮に、競技だけで飯が喰える選手をプロ、そうでない選手をアマと区分するならば、
国内にプロは非常に少ない。
例えば、プロテニス選手もプロサーフィン選手もプロゴルフ選手等も、
プロと表現しながらも、実質は後者に相当するケースが殆ど。
(プロ資格やプロ宣言でプロになれる事もあるし)

実業団選手は、その区分で言えば、プロに入るけど、
企業が給与として生活費を支給することを考慮すれば、セミプロと呼んだ方がbetterだろうか。
どちらにしても、アマでは無い。
日本の実業団スタイルが悪いなんて言っていない。
アスリートの人生を考えると、こんなにいいスタイルは他に無い。
但し、それが温室化される温床になるなら、話は別だ。
TOPスポーツなら、2番じゃダメで、1番でないと意味が無い。
精神論での「プロ意識」から考えると、
実業団って何だっけ?と、根本を練り直す必要が来ているのでは?
(それは、「勝つ」ことが至上命令となっている場合だけですが。
 福利厚生系コンセプトが主役のケースは、変革は必要ないと思います。)

まあ、細かい話は抜きにして、
ぶっ倒れるまで上を狙う精神、川内選手、リスペクトします。
スポーツなんて枠にはめる必要はない、「魂」論だ。
こういう選手が、魂を呼び寄せる。
アウェイでも強いはずだ。
posted by sports777 at 19:33| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツNEWS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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