■概略
ハイテク義手を手に入れるためにスポンサーロゴを背負うことにした少年
生まれつき左手がない少年が、スポンサーロゴを背負うという条件を提示して、
最先端技術を駆使した高額な義手を手に入れることに成功。
長らく義手をつけて生活していましたが、更に高機能な義手を手に入れる為、
応援しているF1チームMercedes GP PETRONASのロス・ブラウン氏に、
内容の手紙を送ったのです。
ファンであるとはいえ、いきなり高額援助を求めたJamesさんの行動は一見
無謀にも見えますが、彼にはきちんとした考えがありました。
「もし援助してもらえるのなら、レーシングカーに多数の広告が掲載されているように、
僕の義手にメルセデスのロゴを掲載します」と、メリットがあるような条件を提示。
手紙を読んだMercedes GP PETRONASの面々は、彼の賢さに感心すると同時に
その内容に心を動かされ、最大限の援助をすることを決意。
Jamesさんはメルセデス本社に招待されて工場見学をし、
ミハエル・シューマッハとの面会も体験。
至れりつくせりのサービスの後、メルセデス社は義手代金を支払うことは
できないことを彼に伝えました。
しかし、Jamesさん自身がMercedes GP PETRONASのファンやスポンサーから
寄付を募り、資金を調達するためには協力は惜しまないという姿勢を見せ、
義手の技術に定評のあるTouch Bionics社と協力体制を取ることにしました。
事情を知ったTouch Bionics社も、義手の総工費3万5000ポンドのうち、
義手を彼に合わせて調整し、最先端技術による取りつけ作業を行う段階でかかる
費用の2万5000ポンド(約313万円)を全額免除することを申し出ました。
そのため、Jamesさんはメルセデス社の手厚いサポートを受けながら、
義手の代金である1万ポンド(約125万円)を寄付によってまかなうことになるようです。
メルセデス社としては、当然、寄付したいけど、できない事情もある。
このような社会貢献の世界、世界中から依頼が来てしまい、混乱しますし。
素晴らしい対応と言っていいのではないでしょうか。
金額の問題ではなく、これこそが企業のCSRであり、
その一環の社会貢献活動と言える。
入っているかまでは調べていませんが、
格付け機関は、こういうものに特例ポイントを付けるべきです。
型にはまった評価フォーマットには、記載されにくい行為にこそ、
真のCSR価値がある。
現状のポイント制度では、上記記事は中々評価ポイントにならないはず。
では、型にはまった環境保護や書類上の社会コストなどを比較すればいいのか?
答えはNO。
企業の「心」も評価ポイントになるべき。
例えば寄付行為の場合、
困っている人ならどこでもいいではなく、
それぞれの企業にテーマがあり、社長の意見も強い事でしょう。
しかし、困っている人は、世の中いくらでもいる。
より困っているであろうという予測・比較の基に、価値ある寄付が求められます。
寄付とは違うが、例えば税金。
スポーツ予算は、どこにどれだけ配分されているのか、
アスリートには中々判らない(調べりゃすぐ出てくるのですが)。
税金は血税なので、必要な所に必要額が配分されればいい。
大して必要もない所に配布されている事実も勿論ある。
(それこそ、真の事業仕分けをするべき)
(数年前から言っている事は、資金調達を教える教育に
税金を使うべきと言っています。ここはぶれていない。)
アスリートに降ってきてもおかしくない税金が、途中で止まる事に関しては、
改善してほしい、という意味は含んでいる。
(先日、学生にアスリートに税金配布なんて反対、と言われたが、
ポイントが完全にズレテいる。よく文章を読んで、現場を勉強してほしい。)
真に困っているアスリートに協賛する企業が増えてほしい。
CSR面での支援(協賛・寄付含む)と、宣伝広告面での協賛は全く別物なので、
戦績が良くなくても容姿端麗な選手に協賛が集まりがちな傾向もわかるし、
とにかく、メディア価値しか求めない企業姿勢も判らなくないが、
それはあくまでもビジネス(宣伝広告)であり、
CSRという言葉は使えないはず。
ここをキチンと整理したアスリート支援を行って頂きたいと思います。
それはビジネスとして使えばいい。
その前に、育成すれば戦績も上がるし、ブレイクするかもしれない、
しかし、今は競技資金も無く、遠征もできない・・・そういった選手を支援するのが、
真のCSR面からのスポーツ支援と捉えます。
なでしこジャパンで言えば、
以前から支援(協賛)していた企業こそ、真に賞賛を受けるべき。
最初は、入口が協賛でも、実質的な寄付になっていたはず。
だから、ビジネスではなく、CSR色が濃いと言える。
なでしこの過去の資金難が、何故、今頃、メディアで書かれるのか?
情報発信をしていない証拠である。
(メディアを待っているのではなく、SNSでも何でも使って攻めればいい。
そういう事がたまれば、社会も動く。)
当ブログは、アスリートの資金調達をテーマにしているので、
今後もできるだけ、選手の競技資金について伝えたい。
競技人口100人のフリーダイビングだって、本来は殆ど記事化されないし、
ラフティング女子なんて、世界一を取っているにも関わらず、
世間は競技名すら知らない。
先日、レーシングカートの右京君が欧州チャンプになったけど、
これって15歳のF1可能性をモノサシにすれば、少しは報道されておかしくない。
競技サイド(選手サイド)がもっともっとPRしなくてはならない。
各競技団体は、借金してでもPR会社を活用するべき。
(借金なんてしなくても十分予算はある所が多いですが)
クールダウン。