■ソース(Morningstar 2011/05/06)
http://www.morningstar.co.jp/news/blog/asia/2011/2q/b0506.html
■概略
F1に対してスポンサー(協賛)という形で進出する新興国企業。
F1はドライバー技量だけでなく、車の性能も重要な要素である為、
技術開発に年間で何10億〜数100億円という資金をチームが使っています。
この莫大な資金を賄うのがスポンサー企業。
スポンサー企業はマシンに自社ブランドを掲載して世界中のTVでブランド認知させたり、
F1チームと共同で自社製品プロモーションを行ったりして、売上げを伸ばす。
スポンサー企業として従来資金を出していたのは、フィリップ・モリス、JT(日本たばこ産業)、
ブリティッシュ・アメリカン・タバコなどの「タバコ」産業でした。
しかし、世界的なタバコ広告の規制の中、F1も例外ではなく現在はタバコ広告は禁止され、
それに代わるスポンサー企業が必要とされてきました。
2008年リーマンショックで、一部のトップチームを除いてF1チームはスポンサー獲得に
苦労するようになりましたが、そんな中でスポンサーとして進出してきたのが新興国企業。
・東南アジア最大のLCC(格安航空会社)である「エアアジア」
・インドでビール、航空会社などを持つ「キングフィッシャーグループ」、
・インド自動車メーカー「タタ自動車」、
・メキシコ通信大手「テルメックス」、
・ベネズエラの国営石油会社「PDVSA」、
・マレーシアの国営石油会社「ペトロナス」、
・アブダビの航空会社「エティハド航空」、、、、
このうち2011年からスポンサーとなった企業の1つにテルメックスがあるのですが、
この企業のCEOカルロス・スリム氏は今年3月に米経済誌「フォーブス」が発表した
世界長者番付でビル・ゲイツやウォーレン・バフェットを抑えてトップになった人物。
テルメックス以外にもメキシコの携帯電話会社のアメリカ・モビルなども所有しており
メキシコの通信・電話関連のドンともいえます。
かつて日本のバブル時代、F1ブームと相まってエプソン、キヤノン、パナソニック、
東芝、三井物産、集英社など今では考えられないほど日本の多くの企業が
F1チームのスポンサーとなりました。
それが今では殆ど日本企業スポンサーは見ることがなくなり、
代わって新興国企業の露出が増えてきたというのは世界経済の勢いをそのまま反映。
・テルメックスが今年スポンサーとなったF1チームには日本人のF1ドライバーである
小林可夢偉(カムイ)選手がエースドライバーとして在籍しています。
・新興国企業以外にもFX(外国為替証拠金取引)事業を営むFXPROやMIG BANK
などもF1チームのスポンサーとなっています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふむふむ、新興国企業、強し。
バブル時代の日本企業スポンサー群が懐かしい。
(そうか、集英社さんもF1スポンサーだったのか・・・)
カムイが頑張っていますが、どうも寂しい。
日本メーカー、日本スポンサーに復活してほしい。
それは理想論か、、、
F1を目指すドライバーが、海外流出する流れがいいのか悪いのか、、、
F1はスポーツでありながら、ビジネス要素も濃いから、
経済状況と直結してしまいますわねえ。