■ソース
http://www.sankei-kansai.com/2011/04/23/20110423-052108.php
■概略
【独立リーグの現状 その明暗を探る】第2部 赤字経営からの脱却《6》
地域の幅広い支援を集める“市民球団”への発展を図り、経営を好転
させている球団が増えている中、スポンサー集めを一切行わない異色の球団が、
今季から関西独立リーグに参戦している。
大阪ホークスドリーム球団代表・川戸康嗣氏は、医療コンサルティング事業の
「ヒューマンドリーム」を中核とした企業グループを経営。
その経営者の立場から見ると、選手契約は基本的にシーズン中のみという
“独立リーグ界の常識”は「雇用7カ月での人材切り捨て」だと警鐘を鳴らす。
独立リーグは、NPBへの挑戦の場という意義が強調されるが、夢破れた大多数の
選手の“その後”を危惧。セーフティーネットが充実しているといえない独立リーグ
の現状を「ボトムが抜けている」と指摘する。
球団経費はグループの年間予算に計上。スポンサー収入は考慮に入れず、
ユニホーム広告ロゴもない。選手は全員ヒューマンドリームの社員給与15万円。
ヘルパーの資格取得へ週1回は専門学校に通い、普段は医療現場で介護活動
などに従事。つまり、社会人野球のチームがプロ宣言した形態ともいえる。
当初は、アマ活動も検討した。しかし社会人の「都市対抗」への出場を想定すると、
2009年の本大会出場チームには、運営経費として1枚700円の入場券を、
1試合あたり4000枚購入することが義務づけられていた。交通費なども含めると、
地区予選からさかのぼって、1大会の参加だけで1000万円強が必要。
一方、関西独立リーグ参戦には、前後期運営費として250万円を拠出するが、
試合は関西圏で移動費も抑えられ、給与以外の経費も年2〜3000万円。
「それで年60試合は可能。選手のために試合が多いのは魅力」と同代表。
社会人野球よりも企業の負担が軽く、選手も野球と仕事、セカンドキャリアに
備えた活動を“同時並行的”に行えるという、冷静な判断も働いている。
球界内では、大阪の活動を「プロじゃない」と批判する声も出ているが
「そう言われても構わない。今の独立リーグより、いいものができると思う」と同代表。
この新機軸が成功すれば、近隣の企業同士で企業内球団を作り、
市町村レベルでの小リーグの形成も可能だろう。
身の丈に合わせた経営水準と環境を選択し、スポンサー収入に頼らないという
“大阪型経営”は、新たな潮流を生む可能性を秘めている。
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タイトルだけ読むと、そりゃきついでしょ・・・と考えてしまうが、
中身を読み、webサイトをチェックすると、
記事通り、可能性を秘めた新しいスタイルなのかもしれないと思えてくる。
アクションmax、経費minという視点で、
ヒューマンドリームさんの管轄内で回して行けるのであれば、
オーナー=スポンサーという構図で、外部スポンサー無しでもいいのかも。
市民球団というと、
どうしても多数スポンサー、ファン密接・会員(チケット)収入というイメージを抱くが、
市民球団のコンセプトを追究して、市民と距離の無い運営で、地域に根差していれば、
形態とかスポンサーとか、そもそも関係ないのが、原点なのかもしれないです。
多くのチームが、そうは言っても資金不足という中で、
そこは持続的に回していけるオーナー運営モデルであれば、良い事例になるはず。
http://hawksdream.co.jp/sponsor/index.html
勤務先が医療福祉スポンサーと記載されており、
働きながら野球をする・・・確かにアマチュア的に見えるが、
他チームが資金難で年間雇用せずに、
結果的に副業・アルバイトを要する形を考えれば、プロ・アマ関係無く、
市民球団という点だけを主に考えれば、セミプロ的でもいいかもしれない。
医療福祉に特化しており、セカンドキャリア問題対策にもなるし、
選手達が納得していれば、給与15万でも立派なセミプロと呼んでいいのでは。
確かに異例に映るけど、いい事例になってほしいですね。
同じような形態チームが、もう2,3生まれると、世間も判りやすくなるかも。
近年の企業スポーツ休廃部・スポンサー撤退・地域クラブ化・ソシオモデル追求・・・
等の話題は、結局、競技を維持・向上・持続する為の、競技資金調達の課題に
集約されてくる面があるが、
アマ・プロ・個人競技・団体競技、全て共通で、
競技資金の出所(オーナー法人・外部法人・個人・国・行政・・・)はどこでも構わない。
財布さえあれば、形態はどうにでもなる。
しかし、法人も個人も財布が緩まない社会・時代であるから、皆、困っていますが、
どんな形態でも、そこがクリアされていて、ファンが付いてきてくれる運営なら、
何でもアリ。
ヒューマンドリームさんのような企業は、全国を探せばまだまだ存在するので、
自事業にメリットをもたらすスポーツ投資をどんどんスタートしてほしいですね。
スポーツ=広告=コンバージョン不明=効果無し・・・というイメージを持っている
経営者は非常に多いです。
ここをうまく説明して、どう効果を出すかを提示できれば、スポーツ協賛の苦しい
時代・社会背景の中でも、勝ち残る事はできると思います。
もちろん、そこにはマッチング確率なども絡んでくるが、
気合いをベースに、ロジカルに探さなくてはならない。
頑張って下さい。