■ソース
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20100122k0000m070124000c.html■概略
2月12日、カナダのバンクーバーで第21回冬季五輪大会が開幕。
昨年11月、10年度予算案に絡む行政刷新会議の「事業仕分け」で、JOCの
選手強化事業費などが「縮減」と判定されたことが話題に。
低迷する経済情勢下で「なぜ、スポーツを強化?」という疑問に答えを明示
できなかったことが、トップアスリート強化などへの厳しい視点につながった。
他のスポーツ強国と比べ、選手強化費がけた違いに少ないと言われる日本も、
近年は国際競技力強化の面で拡大路線を歩んでいる。
00年、文部省が「スポーツ振興基本計画」をまとめ、
JOCは強化プログラム「ゴールドプラン」を策定し、五輪メダル獲得目標を示してきた。
ナショナルトレーニングセンターの設立など積極的な強化策が実を結び・・・
「強くなる為に継続的強化が必要」
「トップ選手の活躍は、スポーツに対する市民意識を高める」
・・・という考えは、国民の共通認識になっていないのが日本の現状。
そんな時期にバンクーバー五輪が始まる。
冬季五輪競技はチームスポーツが少なく、企業に支えられる形態を取らないケースが
多いこともあり、一部の選手を除けば活動費の工面などに苦労がたえない。
スケルトン男子で3度目の五輪出場が有力な越和宏選手(45)は、99年当時は無職。
「仕事で時間を拘束されながら競技を続けるのは無理だと思っていた。
アルバイトをしながらでも五輪を狙うつもりでいた」と振り返る。
その後、ワールドカップ優勝を機にスポンサーが付き、「お金をもらっているという事と、
24時間競技に集中できるようになったこと。それで、『やらねば』と思った」。
又、アルペンスキーの日本代表、皆川賢太郎選手(32)は「プロスポーツ選手として
企業からバックアップされる環境は、当たり前だと思っていたころがある。
ちやほやされるのは結果を出した人間の特権だと思っていた」と話す。
トリノ五輪の回転で4位入賞を果たした皆川選手も、
大きな故障をした際、スポンサーが一気になくなったという苦い経験を持つ。
「その時、『自分は商品に過ぎない』と分かり、考え方が変わった。
人間皆川、スキーヤー皆川として付き合ってもらっていなかった。
2回目にケガをした時、スポンサーが離れるということはなかった」
若いアスリートはアルバイトで生活費を稼ぎながら競技を続け、
一定の成績を残してきた選手もスポンサー探しに多大な労力を割く。
「事業仕分け」で「マイナー競技」と名指しされたボブスレーのある主力選手は、
年間1500万円の経費の為に半年間で100件以上の企業回り。
ベテランの域に達したスキー選手が、
遠征費を捻出する為に愛車を手放したという話も聞く。
ある意味、「手弁当」で五輪にかけてきた選手たちは、世界の強豪にどう立ち向かうか。
「閉塞感」を打ち破ってくれるのは、全力で競技に取り組む姿なのかもしれない。
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越和選手も皆川選手も、今は適切なスポンサード環境にあるようですが、
以前は、やはりスポンサーシップ自体をうまく理解していない時期があったのですね。
先輩達もそうですし、後輩達も、現に資金調達ができずに苦しんでいる。
報道されずに、
競技をやめていく(資金不足でやめざるを得ない)選手がいかに多いか。
バンクーバー前だから、このように記事になりますが、
平時であれば、メディアはこのような事に紙面を割きません。
逆に言えば、今、選手達はメディアを使うチャンスなのだから、
もっと吠えればいい。
現状を訴えればいい。
やはり、自ら情報発信するしかないです。
スポンサーシップに関しては、
何度も述べていますが、
アスリート達に知識・情報を伝達する機会を常設化しないとね。
五輪前になると、こういう資金不足のニュースが流れる・・・・
一体、何十年前から続けているのだろうか?
(まあ、90年頃のバブル期は、アマにも資金が流れ、そういう記事は少なかったが)
何故、スポーツ界はこれを改革しようとしてこなかったのか?
非常に不思議である。
改革の方法はいくらでもあるのに・・・
根源は、メディア社会=TOP選手はテレビ露出効果がある、
露出効果のない選手は、企業スポンサーの価値がない・・・・こういうモノサシが、
次世代アマチュアへの金の流れを断っていた。
しかし、今は違うし、
過去も、違うモノサシを教えれば、資金調達の可能性は十分あったはず。
(事実、資金調達の勝ち組は存在していたのだから)
戦績優秀=資金調達成功者とは限らない。
選手の資金調達は、競技継続や戦績UPに不可欠なもの。
モータースポーツのキッズレーサーにでさえ、同じことが言える。
こういう記事が出れば出る程に、ある使命を感じる。
Uさん、時が来ましたね。
選手が悪いのではない、選手を取り巻くスポーツ界の環境が悪い。
ここが改革ポイント。
posted by sports777 at 03:23|
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