■ソース
http://www.shikoku-np.co.jp/sports/iblj/article.aspx?id=20090718000109■概略
長崎、たる募金で支援要請へ/四国・九州IL
四国・九州アイランドリーグで前期優勝した
長崎セインツが不況による経営危機を乗り切る為、
かつてプロ野球広島カープの資金難を救った「たる募金」でファンに支援を訴える事になった。
長冨浩志監督が現役時代に広島で投手として活躍した縁を生かし、15日に広島市内で複数の
酒だるを借り受けた。
たる募金は1950年〜セ・リーグ参戦の広島・創設当初の危機を救った募金活動として知られ、
球場の入り口に四斗だるを置いて寄付を募ったのが始まり。
今年完成した新球場建設の際にも1億2千万円以上を集めた。
今後は長崎県全域で募金活動を行い、長冨監督も街頭に立つ予定。
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そうですね、かなりの危機とあちこちで報道されていますので、
寄付(募金)依頼は有りでしょうね。
例え、小口でも、
ファンクラブ等の会員制度(会費収入)は、会員メリットを要するスポンサーシップなので、
スポンサーシップとは別の寄付収入を設定するのは、反意を抱かせない資金調達として「有り」。
会費を払った会員が募金する事もありますし、
逆にファンで無くとも募金する方はいるでしょうし、資金調達幅を広げる事になります。
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しかし、スポーツが寄付(募金)を募る場合は注意が必要。
寄付という言葉に最も近い存在が、NPOやNGO(中間法人や○○実行委員会等も含む)。
人権問題や福祉・介護問題、又、環境問題に対応する活動を、
寄付収入を主に運営する機関が思い浮かぶはずです。
NPOやNGOは、社会的な支援活動に直結している為に、
支援心・慈善心を生みやすく、陳情心が心に届きやすい・・・
日本のNPOは、USAのNPO等と違って、事業収入が少ないケースが多く、
寄付収入に頼って活動されています。
そのような、NPOやNGOでさえ、慈善に甘えず、
会計報告や情報公開が常識であり、寄付金が何に対してどのように使われたかを
詳細に世間に伝えないと、以降、寄付が集まらない。
このような観点から、スポーツは、直接的な慈善活動ではなく、
間接的な社会活動(いや、文化と表現した方がよいか)なので、
本来は、寄付の世界には触れず、会費収入・興行収入・協賛収入等で組立てなくてはならない。
世間の善意は、本当は、直接社会活動を行うNPOやNGOの聖域とするべき。
(企業CSRについても本来は、同様と考えられる)
だが、長崎セインツ等のケースは例外となるでしょう。
そこまで緊迫した状況ならば、本来、NPOやNGOへ行くべき世間の善意を誘引しても
許されると考えられます。
その代わりに、NPOやNGOと同様に、
寄付金の使途報告や全体会計報告をキチンと行うべきでしょうね。
株式公開をしていない株式会社ならば、収益・財務内容を詳しく公開しなくても良いですが、
寄付を受け取る以上は、それを行う義務が発生します。
スポーツで寄付収入を得る場合、その辺りに注意して下さい。
98年NPO法施行より、世間の監査の目は非常に上がっていますから、
キッチリ実行して下さい。
「¥○○○○の募金をありがとうございました。○○○に使わせて頂きます」・・・ではなく、
「○○費に¥○○○、○○費に¥○○○・・・に使わせて頂きます」・・・というように、
NPOやNGOと同様の詳細な情報公開が必要です。
参考
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WWFジャパン ・・・・・・・・・・・・・支出報告の例(NPO・NGOは会計報告が必須)
◇
TBS地雷ゼロキャンペーン ・・・支出報告の例
当ブログ読者のアマチュア選手個人も、寄付を募ってもOK。
そして、上記はプロチームやクラブチーム等、寄付金額が大きくなるケースの場合の話なので、
そのような観点では、参考程度の情報になりますが、
「寄付(寄付金)」と「スポンサーシップ(協賛金)」は全くの別物ですから、
そこだけは、混同しないように復習しておいて下さい。